中性脂肪とコレステロールはどう違う?数値が高くなる原因と減らす方法を栄養士がアドバイス

中性脂肪とコレステロールはどう違う?数値が高くなる原因と減らす方法を栄養士がアドバイス

1964_38中性脂肪に似た言葉で、皮下脂肪や内臓脂肪などがありますね。

コレステロールも、食べ物に含まれているコレステロールもあれば、血液の中にあるコレステロールもあります。

健康診断などでもよく目にするこれらの用語ですが、言葉だけではよく判らないこれらは、どう違うのでしょうか?

中性脂肪とコレステロールの違いと、それぞれを放置する危険性、減らす方法を栄養士がアドバイスします。

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中性脂肪とコレステロールが体内で果たしている役割の違い

1964_85まずは、中性脂肪とコレステロールは何のために体にあるものなのか、基本から見ていきましょう。

中性脂肪の役割

中性脂肪は別名「トリグリセリド」と呼ばれ、「グリセロール」と3つの「脂肪酸」から成り立っています。

内臓脂肪や皮下脂肪として体に蓄えられている中性脂肪の役割は、主に体のエネルギー源となることです。

体が運動などでエネルギーを多く必要な状態になると、体の脂肪はグリセロールと脂肪酸になって血液中に放出され、体を動かすエネルギーとして使われるのです。

特に、脂肪酸はグリセロールよりも大きなエネルギーになります。

脂肪酸になっても一定時間エネルギーとして使われない場合、脂肪酸は再びグリセロールとくっついてしまい、中性脂肪になって血液中をいつまでも巡ることになるのです。

コレステロールの役割

コレステロールは、細胞膜の一部となったり、ステロイドホルモンの材料、胆汁酸の材料になる役割を持っています。

悪者に思われがちなコレステロールは、全身の代謝や細胞膜、ホルモンの構成物質として働きます。

中性脂肪は「エネルギー源」、コレステロールは「代謝や生命維持」の働きをしています。

同じ血液中の脂肪で、お互いに関連して上がったり下がったりしますが、役割は全く違います。

中性脂肪とコレステロールの正常値、異常値

about-neutral-fat_01続いて、それぞれどの程度の値が適正なのかを見ていきましょう。

もっと詳しく知りたい方はこちら▶ 健康診断結果の見方。中性脂肪の正常値・異常値とは?

中性脂肪の基準値

中性脂肪(トリグリセリド)30~149mg/dlこれより高過ぎても低過ぎても異常となります。

血液検査でわかる中性脂肪は主に「内因性トリグリセリド」です。

内因性トリグリセリドは、とり過ぎた糖質や脂質を材料に肝臓で中性脂肪につくり変えられ、血液中に放出されたものです。

血液に運ばれて、脂肪として体に蓄積します。蓄積される場所で、皮下脂肪や内臓脂肪などの名称や役割が変わります。

もう一つ、食事をとって血液中にとり込まれた脂肪を「外因性トリグリセリド」といいます。

採血検査の前日に暴飲暴食したり、当日の朝に食事をしてしまったりすると、外因性トリグリセリドが混じって計測されるので、正確な中性脂肪(内因性トリグリセリド)の値が出てきません。

健康診断前に絶飲食があるのは、内因性トリグリセリドを正確に測定したいという目的のためです。

コレステロールの基準値

一方、コレステロールには2つの検査項目があります。

  • LDL(悪玉)コレステロール 60~119mg/dl
  • HDL(善玉)コレステロール 40~119mg/dl

参照:日本人間ドック学会

こちらも、これより高すぎても低すぎても異常となります。

コレステロールは、コレステロールにくっ付いているリポタンパク質の違いにより、LDL(悪玉)とHDL(善玉)に分けて測定されます。

食生活を中心とした生活習慣が乱れると、LDLは高くなり、HDLは低くなるという異常が生じやすいです。

中性脂肪とコレステロールが上がる原因の違い

中性脂肪が上がる原因

①糖分をとると中性脂肪は上がりやすい
糖質をとり過ぎると内因性トリグリセリドが上がります。

血液検査で測定されるのは内因性トリグリセリドなので、健康診断などで中性脂肪が高いと指摘された場合には、糖質のとり過ぎが原因と考えます。
血糖値の急上昇を防ぐと中性脂肪も下がる?血糖コントロールのコツを栄養士がアドバイス

②脂肪をとると外因性トリグリセリドが上がりやすい
脂肪をとり過ぎると、外因性トリグリセリドが高くなります。

血液検査前日に暴飲暴食をしたり、朝食をとってから血液検査した場合などに高くなります。

③アルコールも中性脂肪を上げる
アルコールを摂り過ぎると中性脂肪は上がります。
中性脂肪とお酒の関係。ワイン、ウィスキー、ウォッカ、ブランデーの上手な飲み方

体内にアルコールが入ると、アルコールは体にとっては毒物なので、肝臓はアルコールをまっさきに分解するように働きます。

すると、肝臓でエネルギーになるはずの脂肪酸は、再びグリセロールと結びついて中性脂肪になってしまい、消費されずに体に溜まってしまうのです。

コレステロールが上がる原因

1964_64一方、コレステロールが上がる原因は、コレステロールを多く含む食品を摂り過ぎることもありますが、それ以上に肝臓がコレステロール作る材料となる、飽和脂肪酸の摂り過ぎが原因であることが多いです。

飽和脂肪酸は、の脂やバター、乳製品などに多く含まれるので、肉の脂はもちろんのこと、バターをたっぷり使った菓子類ヨーグルトなどの乳製品を健康食と信じて大量に摂ったりすると、コレステロール値が上がります。

中性脂肪が上がる原因は「糖質やアルコールのとり過ぎ」、コレステロールが上がる原因は「飽和脂肪酸のとり過ぎ」が原因であることが多いです。

中性脂肪もコレステロールも血液中の脂肪ですが、それらの検査結果が悪かったからといって、全ての油の摂取を控えたりせずに、原因を考えてピンポイントで食事の見直しをしましょう。

中性脂肪とコレステロールを減らす方法の違い

1964_84では、いよいよ中性脂肪とコレステロールはどうすれば下がるのか、対処法の違いをお伝えします。

中性脂肪を減らす方法

中性脂肪を減らすには、中性脂肪値を上げる食品である糖質(ごはん、小麦製品麺類、芋類、砂糖果物)の摂取を控えることです。

さらに、アルコールの摂取を減らし、運動をすることで中性脂肪が下がります。
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コレステロールを減らす方法

一方、コレステロールを多く含む食品(卵類、うなぎなど)の摂取を控え、体内でコレステロールの材料となる食品(肉の脂、菓子類など)を控えることです。

さらに、コレステロールが腸で吸収されるのを邪魔するといわれる食物繊維や大豆製品を多く摂ることも大事です。

中性脂肪とコレステロールが異常値のままだとどうなる?答えは共通「動脈硬化」!

1964_86ここまで、中性脂肪とコレステロールは体内での役割や基準値、下げ方が異なるのを見てきましたが、どちらも血流に乗って体内を動いています。

その血が流れているのが血管であり、中性脂肪もコレステロールも数値が高いまま放置しておくと、血管を傷つけたり、汚れのように血管の内側にくっついて穴を細くしたり、硬くなって破れやすくなったりと、血管をボロボロにしていきます。これを「動脈硬化」と言います。
中性脂肪・動脈硬化が引き起こす病気

動脈硬化が進み、脳や心臓にある大事な細い血管を壊してしまうと、脳血管疾患や心疾患など命に関わる大きな病気を引き起こします。

動脈硬化は初期の段階でも、大きな病気を引き起こす寸前でも、痛いなどの自覚症状はほとんど現れません。

「自分だけは大丈夫」と思わないで、健康診断で異常が指摘されるなどのきっかけがあれば、毎日の生活を改善していくことが重要です。

まとめ

  • 中性脂肪は体内で遊離脂肪酸とグリセロールに分かれ、どちらもエネルギー源として使われます。
  • コレステロールは体内で細胞膜や、胆汁酸、ホルモンなどになります。
  • 中性脂肪は、糖質の摂り過ぎ、アルコールの摂り過ぎ、運動不足で高くなります。
  • コレステロールは、コレステロール含有量の多い食べ物、飽和脂肪酸の摂り過ぎで上がります。
  • 中性脂肪は、摂り過ぎている糖質、アルコールを控えて、運動することで下がります。
  • コレステロールは、飽和脂肪酸を控え、食物繊維や大豆製品を多く摂ることで下がります。

上記のような違いのある中性脂肪とコレステロールですが、どちらか一方でも引っかかった場合は、動脈硬化予防のため、早めの対策を始めましょう。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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