褐色脂肪細胞は中性脂肪に効果がある?ダイエットとの関係、 増やす、活性化させる方法とは

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褐色脂肪細胞脂肪=太るというイメージが先行しますが、実は脂肪細胞には、二種類あります。

  • エネルギーを貯蔵する白色脂肪細胞(皮下脂肪や内臓脂肪)
  • 脂肪を分解する褐色脂肪細胞

褐色脂肪細胞は、脂肪を分解することでエネルギーを産生し、それを熱に変換することで、体温を調節する働きがあります。

そのため、褐色脂肪細胞を増やす、または活性化させると、エネルギー消費が促進され、ダイエット、メタボリックシンドロームや肥満改善、生活習慣病対策に有効ではないかと言われているのです。

ここでは、褐色脂肪細胞は増やせるのか、活性化はできるのか、その方法などについて解説していきます。

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褐色脂肪細胞とは

乳児褐色脂肪細胞は、人では新生児~乳児期にのみ存在し、成長に伴い失われるとされていました。

しかし、最近の研究では、成人でも鎖骨付近や肩甲骨、脊椎周囲に限局して存在することが明らかになり、褐色脂肪細胞の機能低下や数の減少と、メタボリックシンドローム、生活習慣病との関連が指摘されるようになっています

褐色脂肪細胞の働き

褐色脂肪細胞は、脂肪を燃焼し、熱を生産する働きをします。褐色脂肪細胞には、ミトコンドリアが多く含まれています。

ミトコンドリアは細胞内の小器官で、酸素を使いATP(代謝など生体活動を行う際のエネルギー源)を産生するのが主な働きです。

しかし、褐色脂肪細胞内のミトコンドリアは、UCP-1(脱共役タンパク質)というタンパク質が多く存在し、ATP産生よりも熱産生を促すしくみになっています。そのため、運動をしなくても熱を産生できるのです。

小児に褐色脂肪細胞が多いのは、熱の産生により体温を維持し、体温低下による生命の危機を回避するためです。

褐色脂肪細胞は増やせる?

ダイエット褐色脂肪細胞の熱産生を促進させれば、エネルギー消費が増え、ダイエットを始めメタボリックシンドロームや生活習慣病の改善にもつながると考えられます。

そのためには、褐色脂肪細胞を増やす、または活性化することが必要になります。

ですが残念ながら、現時点で褐色脂肪細胞を増やすということについては、はっきりとしたメカニズムはわかっていません

褐色細胞に似た「ベージュ細胞」が中性脂肪を下げる?

脂肪細胞に含まれる脂肪は、大部分が中性脂肪です。

中性脂肪を燃やし、熱を産生させる作用は、褐色脂肪細胞の他にも、褐色脂肪細胞のような働きをする「ベージュ細胞(別名ブライト細胞)」があり、これらは白色脂肪細胞に混在しています。

ミトコンドリア内の熱を産生するUPI-1は、ベージュ細胞にも発生することが分かっています。

しかし、肥満状態の白色脂肪細胞内では、ベージュ細胞の発現が抑制されてしまうため、UPI-1 も発生できません。

中年以降は、一度太ると痩せにくくなりますが、それは加齢による褐色脂肪細胞数の減少と、機能低下に、肥満が加わることで、ベージュ細胞が発現されにくく、中性脂肪の燃焼率が下がるためと考えられます。

褐色脂肪細胞を増やすことはできませんが、白色脂肪細胞のベージュ細胞化を促すことが、中性脂肪の燃焼促進になり、中性脂肪を下げることにつながります。

褐色脂肪細胞を活性化させる

褐色脂肪細胞の増やしかたについては現時点ではわかっていません。

ですが、活性化させることは出来るということがマウスによる実験でわかっています。

褐色脂肪細胞においてエネルギー消費を促す新たなメカニズムを発見
褐色脂肪細胞の活性化には、細胞膜に存在するTRPV2チャネルという、温度感受センサー(受容体)に、重要な役割があります。

TRPV2チャネルは、寒冷刺激を受け、交感神経が活発化しノルアドレナリンが分泌されると、褐色脂肪細胞の細胞膜に多く発現します。

TRPV2チャネルは、熱の産生を担うミトコンドリア内のUPI-1(脱共役タンパク質)を増加させる働きがあり、熱産生機能を亢進させます。

マウスの実験では、TRPV2チャネルを持たないマウスは、褐色脂肪細胞の熱産生機能が弱く、寒冷下では体温維持ができず、またエネルギー消費量も少なく、肥満になりやすいことが分かっています。

こららのことにより褐色脂肪細胞を活性化させるには、以下の流れが必要ということがわかります。

  1. 温度刺激や化学刺激を受ける
  2. TRPV2チャネルに刺激が伝わる
  3. 交感神経が活発化する
  4. ノルアドレナリンの分泌が増加する
  5. 熱産生を担うUPI-1 が増加する
  6. 褐色脂肪細胞を活性化
  7. TRPV2チャネルを介した一連の作用は、褐色脂肪細胞の活性化とともに、白色脂肪細胞のベージュ細胞化を促進させる働きも示唆されており、中性脂肪の燃焼促進が期待できます。

    褐色脂肪細胞を活性化する食品

    ここからは実際にTRPV2チャネルを刺激し、褐色脂肪細胞を活性化、白色脂肪細胞のベージュ細胞化を促進する食品や、成分について見ていきましょう。

    魚油:EPA、DHA

    サバやカツオなど青魚に豊富に含まれるEPADHAは、TRPV1チャネルを刺激し、UCP-1(脱共役タンパク質)を増加させる作用があります。

    関連記事:魚が苦手な人にもおすすめ!手軽なEPA・DHAの摂り方!

    香辛料:唐辛子・生姜・黒こしょうなど

    唐辛子に含まれる辛み成分カプサイシンは、TRPV1チャネルを刺激します。生姜に含まれるショウガオールやジンゲロール、黒コショウに含まれるピぺリンなども同じ効果があります。

    緑茶、わさび、シナモン、ニンニク、玉ねぎなど

    緑茶に含まれるカテキン類エピガロカテキンガラート、わさびのイソチオシアネート、シナモンのシナモアルデヒド、ニンニク・玉ねぎに含まれるアリシンなどは、TRPA1チャネルを刺激します。

    いずれの食品も、長期的な摂取で効果が現れます。

    褐色脂肪細胞を増やす運動

    寒冷刺激、化学刺激のほか、運動刺激も褐色脂肪細胞の活性化、白色脂肪細胞のベージュ細胞化に影響を与えるという研究が進んでいます。

    持続的な運動刺激により、骨格筋から分泌される生理活性物質「マイオカイン」が増加、白色脂肪細胞のベージュ細胞化を促すと示唆されています。

    どの運動が有効かは、データが少なく断言できませんが、水泳が褐色脂肪細胞の機能を亢進させたとの報告があり、効果的な運動方法の1つと言えます。

    運動刺激による効果を期待する場合は、継続した運動習慣が必須になります。

    まとめ

    運動中性脂肪を燃焼させる働きがある褐色脂肪細胞。

    元来ある褐色脂肪細胞を増やすことはできないため、中性脂肪燃焼に効果がないとも言われています。

    しかし、最近の研究では、白色脂肪細胞のベージュ細胞化に関する研究が進み、ベージュ細胞も中性脂肪の燃焼を促進させることが分かってきました。

    ベージュ細胞化を促す運動は、水泳に限りません。気軽にできる運動を習慣づけることが、運動刺激を継続させる上では重要です。

    そして、褐色脂肪細胞の活性化、ベージュ細胞化を促す食品を毎日の食事に取り入れ、長期的なスパンで取り組んでみてはいかがでしょうか。

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