糖尿病は中性脂肪を高くする?そのメカニズムと対策について

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血糖値糖尿病は、血糖値が高い状態が続いてしまう病気です。

血糖値は、血液中のブドウ糖の量を指しますが、血糖値が高いと中性脂肪も同時に高くなっていきます。

ブドウ糖と中性脂肪、性質が違うものの様ですが、ブドウ糖は中性脂肪の原料になるのです。

そのため糖尿病の場合、血糖値だけでなく中性脂肪も高くなり、さらに 高LDLコレステロール(悪玉コレステロール)血症、低HDLコレステロール(善玉コレステロール)血症も出現します。

ここでは、糖尿病と中性脂肪を始めとした脂質との関係について、対策も含め解説していきます。

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糖尿病が中性脂肪を高くするメカニズム

糖尿病になると、なぜ中性脂肪が高くなるのか、メカニズムを見てみましょう。

余剰なブドウ糖が中性脂肪に合成される

血液中のブドウ糖糖尿病では、血液中に余剰なブドウ糖が多く存在しています。

ブドウ糖は通常、エネルギーとして使われますが、余ると肝臓で中性脂肪を合成し、エネルギー源として貯蔵されます。

糖尿病の場合、ブドウ糖が血液中に豊富なため、中性脂肪が合成されやすくなってしまうのです。

脂質分解酵素「リポ蛋白リパーゼ」の分泌低下

糖尿病の場合、すい臓が疲弊し、インスリンの分泌量が減少したり、インスリンの働きが低下しています。

ここで、インスリンと、脂質分解酵素であるリポ蛋白リパーゼ、そして脂質の関係を見てみましょう。

中性脂肪やコレステロールなどの脂質は、肝臓で合成され、血液中に放出される際は、親水性タンパク質と結合し、リポ蛋白となり、体の各組織に運ばれます。

運ばれてきたリポ蛋白は、リポ蛋白リパーゼ(LPL)により分解され、脂質は各組織に取り込まれ、構成要素として使われます。

この脂質を分解するリポ蛋白リパーゼは、インスリンによって活性化されます。

糖尿病では、インスリンの分泌量が減り、インスリンの働き自体も低下しています。

そのため、リポ蛋白リパーゼの活性も低下し、脂質が分解されず、血液中に中性脂肪、コレステロールが停滞するため、高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症を引き起こしてしまうのです。

また、HDL(善玉)コレステロールについてですが、通常リポ蛋白リパーゼにより、リポ蛋白が分解され、中性脂肪、コレステロールを組織に置いて来ると、最終的にHDL(善玉)コレステロールになります。

しかし、リポ蛋白リパーゼの働きが低下していると、リポ蛋白が分解されず、中性脂肪、コレステロールを抱えた状態のままになり、HDL(善玉)コレステロールとなれず、低HDLコレステロール血症となってしまうのです。

中性脂肪とコレステロールの役割・基準値・下げ方の違い

糖尿病なら知っておきたい 中性脂肪への対策

重要糖尿病がある場合、中性脂肪対策は非常に重要になります。

糖尿病では、高血糖だけでなく、中性脂肪、コレステロールなどが高い脂質異常症を合併しやすく、動脈硬化の進行が早まります。

そのため、腎不全、網膜症、下肢閉塞性動脈硬化症、脳梗塞など末梢血管の障害とともに、心血管疾患のリスクが高まってしまうのです。糖尿病の場合、初発心筋梗塞発症頻度は、健常者の5倍以上です。

そのため、糖尿病の治療に合わせ、中性脂肪に対するアプローチも同時に行うことが非常に重要になります。

対策としては、食事療法と運動療法が基本ですが、改善が見られない場合は、薬物療法も行います。

【医師監修】中性脂肪の数値が気になる方へ 〜 下げ方や高い原因など。中性脂肪が高いと言われたら読むカンタン基礎知識

それでは糖尿病の人の中性脂肪対策について解説していきます。

食事療法

糖尿病の血糖コントロールのための食事療法に加え、次のことに注意しましょう。

  • 炭水化物の摂取制限:摂取エネルギーの50%以下
  • 単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトース) 、異性化糖を控える
  • 脂肪の摂取制限:摂取エネルギーの15%以下
  • 食物繊維を25g/日以上摂取
  • アルコールの摂取制限や禁酒
  • 血糖値が上がりにくい「ベジタブルファースト」の食べ方実践

他にもしっかり咀嚼する、3食きちんと食べる、バランスよく食べるなどを実践していきましょう。

運動療法

運動運動をすると、エネルギー源として、まず血液中のブドウ糖を使うため、血糖値の低下につながります。

また運動を継続することで、血流が改善、筋肉も増強され、基礎代謝が上がりエネルギー消費が増加するため、脂肪の蓄積を予防できます。

さらに運動は、インスリンの働き向上にもつながります。インスリンの働きが高まると、血糖が下がりやすくなり、またリポ蛋白リパーゼも活性化されるため、血液中の中性脂肪、コレステロール値の改善にもつながります。

血糖値コントロールや中性脂肪を下げるための運動には、有酸素運動が有効です。

薬物療法

食事療法、運動療法で血糖値が改善しても、脂質の数値に改善が見られない場合は、薬物療法を併用します。

高中性脂肪血症に対しては、フィブラート系薬が第一選択となります。高LDLコレステロール血症に対しては、スタチン系薬が第一選択になります。

糖尿病ってどんな病気?

糖尿病とは?糖尿病は、慢性の高血糖状態が続く病気です。

膵臓から分泌される血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌低下や、インスリンの働きが低下することで、血糖値が下がりにくくなることが原因です。

糖尿病の判定基準

  • 空腹時血糖値:126㎎/㎗以上
  • 75gブドウ糖負荷試験2時間値:200㎎/㎗以上
  • 任意の血糖値:200㎎/㎗以上
  • HbA1c:6.5%以上

上記のいずれかが見られると、「糖尿病型」と判定され、日を改め再検査をします。その際、「糖尿病型」が再度確認されると、糖尿病と診断されます。

糖尿病の4つのタイプ

糖尿病は、発症の原因により、次の4つのタイプに分けられます。

  1. Ⅰ型糖尿病:インスリン作る、すい臓の細胞が破壊され、インスリン分泌不足となる。若年者に多い。
  2. 2型糖尿病:インスリンの分泌低下や働きが低下することで起こる。中年以降に多く、生活習慣病の1つ。
  3. 妊娠糖尿病:妊娠中に発症した糖尿病。
  4. 病気に伴う糖尿病:内分泌疾患などによる。

まとめ

早めに治療を糖尿病と中性脂肪の関係は、とても密接で、相互に連動し、負の相乗作用をもたらします。いずれも自覚症状に乏しく、発見が遅れるケースが多くあります。

健康診断などで注意された、体重が増え始めた、疲れやすくなった、など気になった時が早期発見のチャンスです。

糖尿病も高中性脂肪血症など脂質異常症も、知らず知らずに動脈硬化が進行する病気です。早い段階でアプローチし、早期治療につなげていきましょう。

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