中性脂肪が高いと認知症リスクを高める?ふたつの関係や原因とメカニズムについて

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認知症中性脂肪が高いと、すぐに思い浮かぶのがメタボリックシンドローム、そして生活習慣病だと思います。

しかし、最近は中性脂肪と認知症との関連も指摘されています。

認知症の発症機序は、まだ解明されていませんが、中性脂肪が高いなど、脂質異常症がベースにある人は、認知症の発症率が高いという研究結果が出ています。

ここでは、中性脂肪と認知症との関係、発症する原因とメカニズムについて 解説していきます。

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認知症とは?

認知症認知症は、「記憶障害など脳の認知機能障害により、日常生活に支障をきたすようになる疾患」とされています。

(引用:e-ヘルスネット

認知症は病名ではなく、認知機能が低下することで生じる一連の症状のことで、それにより6か月以上、生活に支障が出ている状態のことを指します。

認知症の主な原因

認知症は、原因となる疾患があり、その症状として認知機能障害が現れている状態を指します。

原疾患により、発症原因、症状、対策などが異なってきます。

認知症の種類について

認知症は、その原疾患により、さまざまな種類があります。

代表的な原疾患には、

  • アルツハイマー型認知症
  • 脳血管性認知症
  • レビー小体型認知症
  • 前頭側頭型認知症
  • アルコール型認知症

などがあります。

<アルツハイマー型認知症:全体の約50%>

脳にアミロイドβという蛋白質が蓄積し、神経細胞が死滅、脳萎縮が起こることが原因で発症する認知症です。

加齢や遺伝が関係すると言われていますが、最近は糖尿病や高血圧がベースにある場合、発症しやすくなる、という研究結果もあります。

脳の萎縮の進行とともに、言葉も出なくなり、徐々に体の機能も失われていきます。

<脳血管性認知症:全体の約20%>

脳梗塞や脳出血など脳血管障害脳梗塞や脳出血など、脳血管障害が原因で発症する認知症です。

脳の血管が詰まったり出血することで、周辺の脳細胞にダメージを与え脳機能が低下し、認知症や運動麻痺が引き起こされます。

脳血管障害は、動脈硬化が大きく関係しています。

中性脂肪が認知症と関連があるといわれるのはこのタイプになります。

<レビー小体型認知症:全体の約20%>

脳にレビー小体という蛋白質が蓄積し、神経細胞が死滅、脳萎縮が起こることが原因で発症する認知症です。

原因は不明で、脳幹部がダメージを受けると、パーキンソン病の症状が現れ、歩行障害や転倒しやすくなります。

<前頭側頭型認知症:全体の約5-10%>

脳の前頭葉や側頭葉の委縮が原因で、発症する認知症です。

前頭葉は、感情や理性のコントロール、社会性などに大きく関わり、側頭葉は、言語、聴覚、味覚などを司っています。

そのため症状としては、人格の変容、社会性の欠如、こだわり、無関心、抑制が効かないなどの症状が現れます。

中性脂肪が高いことが認知症を発症させる原因とメカニズム

中性脂肪が高いなど、脂質異常症がベースにある場合、脳血管性認知症を発症しやすくなります。

それは、動脈硬化に起因しています。

脳血管性認知症の原因は動脈硬化

脳脳には、実に多くの血管が網の目のように張り巡らされています。

その血管に血液が十分に循環していると、脳は正常に働き、私たちは健全な日常生活を送ることができます。

しかし、動脈硬化が進行すると、脳の血管も硬くなり、血液循環が悪化、脳の血流が減少し脳機能の低下につながります。

さらに、無理に血液を流そうとするため、血圧が上がり、その圧力で脳梗塞や脳出血につながってしまうのです。

動脈硬化の原因

動脈硬化の大きな要因は血中のLDL(悪玉)コレステロールの増加によるものです。

悪玉(LDL)コレステロールが、血管壁に入り込み、プラークを形成、血管を硬くします。

中性脂肪値が高いとLDLコレステロール値も高い傾向にあります。またLDLコレステロールよりも動脈硬化を進行させる働きが強い小型LDLコレステロールも多くなります。

小型化した悪玉(LDL)コレステロールは、活性酸素により酸化され、さらに血管壁に入り込みやすくなり、動脈硬化をより進行させてしまいます。

これらのことからも、コレステロールや中性脂肪の管理が、動脈硬化予防にとても大切なことが分かります。

中性脂肪とコレステロールの役割・基準値・下げ方の違い

認知症予防は生活習慣の見直しから

生活習慣認知症の発症は、それまでの生活習慣が大きく関わってきます。

糖尿病がある場合、アルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβが蓄積されやすいと言われ、脂質異常症や高血圧では、動脈硬化が進行する原因になります。

これら生活習慣病は、食生活運動、日常生活習慣などを見直すことで、改善することができます。

次のことを気を付けていきましょう。

  • 食事は3食バランスよく食べる
  • 運動する習慣を身につける
  • 喫煙は動脈硬化の原因になるため控える
  • 過度の飲酒は肥満やアルコール型認知症を誘発するため適量を心がける
  • ストレスをためない
  • 規則正しい生活を送る
  • 持病を放置せず、積極的に治療をする

気になる方は、今から少しずつでも改善していくことをお勧めします。

まとめ

過信は禁物認知症というと、高齢者の病気と思われますが、急に発症するものではなく、今までの生活習慣の積み重ねが、発症に大きく関係しています。

まだ若いから、認知症の家系ではないから、と過信は禁物です。

これを機に今までの生活習慣を振り返ってみるのはいかがでしょうか。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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