中性脂肪値を下げるEPAのメカニズム~効果的な摂り方食品、レシピ

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青魚
EPAはDHAと比べてあまり知られていない成分ですが、DHAと同じく魚油に含まれており、体に良いさまざまな働きをしてくれます。

「EPAとはどんな成分?」「DHAとは何が違うの?」「どうやって摂れば良いの?」と気になっている方はいませんか?

この記事では、EPAには中性脂肪を下げる効果があるのか、またそのメカニズムについて管理栄養士が解説していきます。

さらに、EPAが多く含まれる食品や、効果的な摂り方、簡単に作れるレシピを紹介していきます。

EPAを始めてみようか悩んでいるという方は是非参考にしてみてください。

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EPAとは

グリーンランドEPA(エイコサペンタエン酸)は魚油に含まれる脂肪酸で、DHA(ドコサヘキサエン酸)と同じくオメガ3脂肪酸に分類されます。体内では合成することができないため、食品から摂らなければならない必須脂肪酸とされています。

グリーンランドに住んでいるエスキモーの食生活による研究から発見されました。エスキモーの食生活は、総カロリーに対しての脂質の摂取量が高いにもかかわらず、血栓症の罹患率が低いということから注目を浴びました。

研究によって、魚の摂取量と死亡率には関係性があることが明らかとなり、現在でもEPAやDHAについての研究は盛んに行われています。EPAはDHAよりも歴史が古く、魚油からの抽出技術も発展していることで明らかになっている部分が多いようです。

EPAとDHAは似ていますが、DHAは目や脳に多く存在しており、EPAは血液や血管に影響します。この違いによってEPAとDHAの効能に差が出ています。

EPAが中性脂肪を減らすのに効果的な理由

EPAにはさまざまな生理機能があると確認されていますが、その効能の一つとして中性脂肪の減少があります。以前から魚油には血中脂質を減らし、血液をサラサラにする効果があるということは認められていました。

しかし、はっきりとした中性脂肪低下のメカニズムは解明されてませんでしたが、最近になってそのメカニズムがだんだんと明らかになってきています。

EPAとアラキドン酸の比率

まず、EPAとアラキドン酸の比率(EPA/AA比)が注目されています。アラキドン酸は魚を食べる機会が少ない人の体内に多い脂肪酸です。魚を食べるとEPAが多くなり、この2つの脂肪酸のバランスに影響します。

EPA/AA比で血中のEPA濃度が高い人は、低い人に比べて死亡率が低くなるということがわかっています。反対に、EPAの濃度が低い人は、内臓脂肪が付きやすく肥満になりやすいという報告があります。

EPAを摂取すると白色脂肪細胞がベージュ細胞に変化

体内の脂肪細胞には脂肪を溜め込む白色脂肪細胞と、脂肪を燃やす褐色細胞があります。中性脂肪は白色脂肪細胞に多く含まれており、肥満の原因となっています。

最近の研究では、白色脂肪細胞が褐色細胞のような機能を持つベージュ細胞という新しい脂肪細胞があることがわかってきました。褐色細胞には熱を産生するUCP1というたんぱく質が含まれており、ベージュ細胞においてこのUCP1の発現を高めたり、活性化することで肥満の改善に繋がると考えられています。

EPAを摂取すると、消化管の感覚神経に存在するTRPV1という受容体を介して交感神経が刺激され、ノルアドレナリンが放出されます。これによって白色脂肪細胞がUCP1を持つベージュ細胞になり、熱を放出し、脂肪を燃やすことができるというメカニズムです。

以上をまとめると、中性脂肪を減らすためにはEPAがアラキドン酸よりも多くなることが条件であり、魚油によってベージュ細胞の発現が促され、脂肪燃焼を促進するということになります。

魚油を摂取することが中性脂肪を減らし、肥満のリスクを下げるということは、このような研究から明らかになっています。メカニズムの解明はまだまだ最近のことですので、これから更なる発展が期待できる成分です。

EPAの様々な効果

EPAには中性脂肪を減らす以外にもさまざまな効果があることがわかっています。

・血中の総コレステロールを抑制する
・HDL(善玉)コレステロールを増加させる
・抗炎症作用

まだはっきりとしたメカニズムの解明はされていませんが、ドライアイの改善などへの応用も研究が進められています。

今のところは血清脂質低下作用、血液凝固抑制などが主なEPAの効果とされていますが、これからさらにさまざまな病気に対しての作用とメカニズムが明らかになってくるものと考えられます。

中性脂肪を下げるのに効果的なEPAの摂り方

摂取量・副作用

厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)では、EPAのみの摂取基準ではなく、オメガ3脂肪酸としての摂取基準が定められています。

成人男性・女性のオメガ3脂肪酸の目安量(g/日)

  男性 女性
18〜29歳 2 1.6
30〜49歳 2.1 1.6
50〜69歳 2.4 2
70歳以上 2.2 1.9

オメガ3脂肪酸は、植物性のα-リノレン酸、動物性のDHA・EPAを合わせたものです。1日3g以上摂取すると血液凝固能が低下し、出血傾向が起こるとされています。EPAを含む魚油の摂取で、げっぷ、吐き気、鼻血、軟便が報告されています。

EPAだけに注目するのではなく、他の脂肪酸とのバランスを考えて摂取することが大切です。また、サプリメントを使う場合は過剰摂取に気を付け、適量を守ってとり入れましょう。

タイミング

脂質代謝は、体内時計によってコントロールされている日内リズムの影響も受けます。EPAを摂取する時間によって効き目が変化するのでより良いタイミングで摂ることが大切です。

EPAの効果をより高めるためには、夜に摂取するよりも朝に摂取した方が良いと報告されています。朝に摂取する方がEPAの血中濃度が高くなり、脂質代謝の改善効果が高まるようです。

EPAを含む食品

EPAを多く含む食品をご紹介します。

  • サバ
  • アユ
  • イワシ
  • ウナギ
  • ニシン
  • マグロ
  • スジコ
  • いくら
  • 数の子

EPAは青魚や魚卵に多く含まれています。

食事1回あたり140〜170g、週に2回食べるのが理想的です。1回あたりの摂取量が少ない場合は、頻度を増やしたり副菜や汁物としてとり入れてみてはいかがでしょうか。

しかし、実際に魚をとり続けるというのはなかなか難しいものです。魚の油に含まれるため、焼いて油を落としてしまうだけでもEPAは失われてしまいます。

魚が苦手な人や、日々料理をするのが難しいという人は、サプリメントの使用もオススメです。

調理による損失や油の酸化を気にすることなく、効率よくEPAを摂取することができますよ。

EPAを効率よく摂るレシピ

それでは、実際にEPAを効率よく摂り入れるための簡単レシピをご紹介します。簡単に作れるものになっていますので、家庭でもチャレンジしてみましょう。

EPAが多く健康にもお財布にも優しい食材、サバ

サバは家庭でもよく食べられる青魚ですね。値段も安く手に入るので、お財布にも優しい食材です。

EPAだけではなく、DHAの含有量も高めです。100g中に含まれるEPAの量は690mg、DHAの量は970mgです。

メインのおかずになるので、一度にたくさん摂れるのがうれしいですね。

サバの味噌煮 レシピ
【材料】
• サバ(三枚おろし)2枚
• しょうが 20g(皮付きのまま薄切りにする)
(調味料 1)
• 水 カップ300cc
• 酒 100cc
• 砂糖 大さじ2
(調味料 2)
• 白みそ 80g
• 赤みそ 20g

【作り方】
1) サバは半身を半分に切って、皮に切り目を入れます。
2) 鍋に(調味料1)入れて火にかけ、煮立ったらサバを入れ、煮汁をかけ回します。
3) しょうがを加えて落としぶたをして中火で5~6分間煮ます。
4) 魚に火が通ったら(調味料 2)を入れて再び落し蓋をして、煮汁がとろりとするまで煮詰めます。

EPAを効率良く摂るポイントは、鮮度の良いサバを選ぶことと、煮汁を多くしないことです。

魚は焼くと油が落ちてしまい、一緒にEPAも逃げてしまいます。煮込み料理にすれば効率よくEPAを摂取できますよ。

EPAの含有量が高いスジコの簡単メニューで健康を維持

スジコは鮭からとれる卵です。100gあたりのEPAは2100mgととても多いのですが、同時に脂質も多く含まれているので食べ過ぎには気を付けましょう。

塩漬けされたスジコを、アツアツのご飯と一緒に食べるのが一般的です。

EPAを可能な限り損なわれないようにするスジコのおすすめ料理は、なめこおろしスジコのせです。

なめこおろしスジコのせ
【材料】
• なめこ 1袋
• 大根 5cm程度
• スジコ お好きなだけ

【作り方】
1) なめこ1袋をざるにあけて、レンジで加熱します。
2) 大根をおろして、あら熱の取れたなめこにのせます。
3) その上にお好みの量のスジコをのせれば、出来上がりです。

とても簡単に作ることができ、食材費も300円程度と安く上がります。

常備菜として、忙しい朝や帰りが遅くなったときのご飯のお供にぴったりですね。

まとめ

中性脂肪値はメタボリックシンドロームや生活習慣病との関連性が高く、検診で引っかかってしまう人も多いのではないでしょうか。

食事や運動を見直して改善することが大切ですが、それに加えて中性脂肪値を下げる成分をとり入れるというのも一つの方法です。

EPAは薬にも使われている成分で、中性脂肪を下げ、血液をサラサラにするという効果が期待できます。

まだまだわかっていない効果やメカニズムもたくさんあり、これからますます発展が期待されています。

普段の食事で魚を多くとるように心がけたり、サプリメントをとり入れるなどして、EPAの摂取を意識してみましょう。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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