中性脂肪値を下げるDHA のメカニズム~効果的な摂り方、食品、レシピ

016s

サンマ
DHAには体に良いさまざまな効果があると認められていますが、中性脂肪を下げる効果の有無やそのメカニズムが気になるところですよね。

また、「そもそもDHAとはどのような成分かよく知らない」、「せっかく摂るなら効果的に摂りたい」という方も多いのではないでしょうか?

この記事ではそのような疑問を解決するために、DHAが中性脂肪にどのように影響するのか管理栄養士が解説していきます。

また、効果的な摂り方や食品、レシピも紹介していますので、中性脂肪が高くDHAを摂ろうか悩んでいる方は是非参考にしてみてくださいね。

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DHAとは

魚油DHAはドコサヘキサエン酸と呼ばれ、魚の油に含まれる脂肪酸のことをいいます。n-3系脂肪酸(またはオメガ3脂肪酸)に分類されており、さまざまな生理機能を持つことから健康効果の高い成分として注目されています。

また同じく魚油からとれるもので、DHAと似たようなEPAという成分があります。EPAはエイコサペンタエン酸と呼ばれ、DHAと同様にオメガ3脂肪酸に分類されます。

通常は魚油の中にEPAが10〜16%、DHAが5〜10%含まれています。また体内でα-リノレン酸からDHAやEPAを合成することができます。α-リノレン酸はn-3系脂肪酸の一つで、キャノーラ油やエゴマ油に多く含まれています。

DHA が中性脂肪値を減らすのに効果的な理由

DHAの効能の一つに、血中の中性脂肪値の減少があります。脂質には中性脂肪のほかLDLコレステロールやHDLコレステロールなどがあり因となる脂質の種類によって対応が変わってきます。

中性脂肪は体脂肪の大部分を占める脂質であり、一般的に「脂肪」といえばこの中性脂肪を指しています。中性脂肪はエネルギーを蓄えたり、内臓のクッションとなったり、脂溶性の栄養素の吸収率を高めたりと重要な役割を持つ栄養素です。しかし増えすぎると肥満の原因となり、生活習慣病を引き起こしてしまいます。

中性脂肪を下げるのに効果的と言われている栄養素は色々なものがありますが、このDHAもその中の一つです。DHAが中性脂肪を減らすメカニズムとしては次のようなものが考えられています。

1.EPA・DHAは転写因子であるPPARα(※1)のリガンドとなり脂肪分解酵素の発現を上げ、脂肪分解を促進する。

2.DHAは脂肪の合成に関与する転写因子SREBP1c(※2)の量を低下させ、脂肪の合成を阻害する。

※1 PPARα…肝臓や褐色脂肪組織、心臓、腎臓などに存在し、遊離脂肪酸を生理的なリガンド(特定の物質に対して特異的に結合する物質)として活性する転写因子。
※2 SREBP1c…脂肪酸、トリグリセリドの合成を制御する転写因子。糖や炭水化物から脂肪酸合成に導く。
つまり、DHAやEPAを含む魚油は脂肪を分解させること、脂肪の合成を阻害すること、この両面から脂質代謝に関与しているといえます。

「脂肪を作らない」、「できた脂肪は減らす」という体にはなんともうれしい働きがDHAにはあるんですね。

DHAの様々な効果

DHAには、中性脂肪を減らす以外にもさまざまな効果があると示唆されています。
ひらめき

  • 学習機能向上…記憶を改善する、認知機能を向上する
  • 血中コレステロール低下
  • 視力低下の抑制…網膜反射機能を向上させる
  • 血圧降下作用
  • 抗血栓作用…血小板凝集抑制
  • 抗アレルギー
  • 抗炎症作用
  • 糖尿病を予防する…血糖値低下作用

うつ病などの精神疾患に対しての研究も進められています。はっきりとしたメカニズムの解明はまだされていませんが、DHAとうつ病には何らかの関係があると考えられています。

DHAをとり入れることで、このように多岐にわたる病気の予防・改善につながります。これからさらに研究が進むことで、より医療分野での発展が期待されますね。

中性脂肪を下げるのに効果的なDHAの摂り方

摂取量・副作用

厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)では、DHAのみの摂取基準ではなく、オメガ3脂肪酸としての摂取基準が定められています。

成人男性・女性のオメガ3脂肪酸の目安量(g/日)

  男性 女性
18〜29歳 2 1.6
30〜49歳 2.1 1.6
50〜69歳 2.4 2
70歳以上 2.2 1.9

オメガ3脂肪酸は、植物性のα-リノレン酸と動物性のDHA・EPAがあります。1日3g以上の過剰摂取では血液凝固能が低下し出血しやすくなる、げっぷや吐き気、鼻血、軟便などのリスクを伴います。

上記の表を参考にし、適切な量を摂取することが大切です。DHAだけに注目するのではなく、他の脂肪酸の摂取量にも気を付けましょう。

タイミング

朝食DHAを摂るなら朝食が効果的です。

最近は時間栄養学の考え方が広がってきており、「いつ摂取するか」というタイミングも重要視されてきています。せっかく同じ成分を摂るのであれば、より効果的なタイミングで摂取できるのが理想的ですね。

DHAの脂質代謝に対する改善効果も、摂取する時間によって影響すると考えられています。これは体内時計によってコントロールされている日内リズムによるものです。

マウスを使った実験によると、夕食に魚油を摂取したグループよりも朝食に摂取したグループの方がDHAやEPAの血中濃度が高く、脂質代謝の改善効果が高いと報告されています。

DHAを含む食品

DHAを多く含む食品をご紹介します。

  • マグロ
  • サバ
  • アユ
  • ブリ
  • さんま
  • ニシン
  • スジコ
  • イクラ

DHAは主に青魚に多く含まれています。

魚を週に2回以上、1回につき140〜170g食べると、オメガ3脂肪酸の血中レベルが上昇し長生きに繋がるとの研究データがあります。

しかし実際に魚は肉に比べて食べられる機会が少なく、あまり好まれていない印象です。料理が苦手な方や、魚自体があまり好きではないという方には、サプリメントを飲むという方法もあります。

オメガ3脂肪酸は調理の過程で損失しやすく、酸化されやすい成分です。より効率良く、効果的に摂りたいのであればサプリメントを検討してみてはいかがでしょうか。

DHAを効率よく摂るレシピ

それでは、実際にDHAを効率よく摂り入れるためのレシピをご紹介いたします。

ご飯がすすむイカナゴの佃煮を食べてDHAを摂取

イカナゴは栄養価の高いことで知られている小魚です。このイカナゴ100gに対して約500mgのDHAが含まれています。

イカナゴはそのままでも食べられる佃煮がオススメですが、パンに乗せるだけで、普段と違ったチーズトーストが楽しめますよ。

イカナゴのチーズトースト レシピ
【材料】
• パン
• マヨネーズ
• チーズ
• イカナゴ

【作り方】
1) パンにマヨネーズを塗り、その上にチーズとイカナゴをのせて焼く。これで完成です。

1食あたり100円くらいで作ることができ、簡単で安くて美味しい料理です。

カタクチイワシの「なめろう」

青魚の一つ、カタクチイワシには100gあたり770mgと多くのDHAが含まれています。

加熱して食べることが多い魚ですが、実は調理の過程で脂質が溶けてDHAも同時に失われてしまっています。

DHAを効率よく摂るのであれば生で食べるのがオススメ。
薬味を加えて食べれば生臭さが緩和され、食べやすくなりますよ。

カタクチイワシのなめろう レシピ
【材料】(1人分)
• カタクチイワシ 5匹
• みそ 小さじ1
• しょう油 小さじ1/4
• ショウガ 1/2かけ
• ねぎ 適量
• 大葉 適量

【作り方】
1) カタクチイワシをさばき、骨を取り除きます。
2) みそ、しょうゆ、ショウガ、ネギを包丁でたたいてください。
3) 器に大葉を敷き盛り付け、できあがりです。

こちらも材料費が安いので、家計のお助けメニューとして重宝します。

まとめ

DHAは中性脂肪を下げるだけでなく、さまざまな効果が明らかになっており、健康づくりにもおすすめです。

ますます発展が期待され、私たちの健康づくりをサポートしてくれる成分です。

DHAを摂取するためには青魚をできるだけたくさん食べることが一番良いのですが、現実はなかなかそう上手くはいきませんよね。

今回ご紹介したような簡単な料理を試してみたり、サプリメントなどを上手に活用するなど、できることから始めてみましょう。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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