唐辛子のカプサイシンの脂肪燃焼効果は、中性脂肪も下げるのか?最新の研究結果と摂り方を管理栄養士が解説

1964_225

1964_225唐辛子を使った激辛なお鍋や料理は、10代~20代の人に大人気です。

唐辛子の刺激は心地よく、食欲を増大させる効果があります。

この唐辛子の辛味成分は「カプサイシン」です。

カプサイシンとは、カプシノイドの1つです。

カプシノイドは辛味成分の総称で、カプサイシンの他にジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシンなどがあります。

カプサイシンが体内に入ると、交感神経を刺激して、汗を出したり、心臓の鼓動を早くするなどの作用を示します。

交感神経が刺激されて汗をたっぷりかけば、人間の体は疲労します。

汗をかくと、痩せる効果があるのではないかと考えられますが、果たして気になる中性脂肪への効果はどうなのでしょうか?

その効果や摂り方を管理栄養士が解説します。

スポンサーリンク

カプサイシンが中性脂肪を下げる可能性あり!研究結果から考えられる理由

1964_226カプサイシンを多く含む唐辛子を摂ると、辛さを感じると共に体が熱くなってきます。

「体の脂肪が燃えている!」と感じますね。

たしかに、熱くなるのは体の細胞がエネルギーを使って活発に動いているためです。

アメリカで行われた、カプサイシンを摂ることで体にどのような変化があるのかを調べた研究では、カプサイシンを摂った群の腹部脂肪が減ったという研究結果が出ています。

(国立バイオテクノロジー情報センター:「ヒトにおける肥満およびエネルギー代謝に対する新規カプシノイド治療の効果:薬理遺伝学的影響の可能性」)

体脂肪が下がれば、血液中の中性脂肪が下がるのではないかと関連が考えられます。

カプサイシンで減ったという腹部脂肪には、臓器の周りにくっついている「内臓脂肪」も含まれています。

内臓脂肪はひと昔前まではエネルギーの貯蔵庫としてあるだけで、悪さをするものではないと思われてきましたが、現在では内臓脂肪が多くなると体に悪影響を与える物質(悪玉アディポサイトカイン)が大量に出ていることが判ってきました。

これらの悪玉アディポサイトカインは、血糖値を下げるインスリンを効きにくくしたり、血管が固くなる動脈硬化を進めたりします。

血液中の中性脂肪を直接上げることはしませんが、悪玉アディポサイトカインが多いことと、血液中の中性脂肪が多いことが重なると、動脈硬化は倍々で進んでしまうのです。

血液中の中性脂肪が高くても「痛い、苦しい」などの自覚症状はありません。

ですが、中性脂肪が高いと動脈硬化が進行し、動脈硬化が引き起こす心疾患や脳血管疾患といった、命に関わる大きな病気となるのです。
中性脂肪・動脈硬化が引き起こす病気

なので、カプサイシンを摂って内臓脂肪を減らし、悪玉アディポサイトカインを減らすことは、中性脂肪値の高い人にとっても、とてもメリットがあることと言えます。

中性脂肪を下げるのに効果的なカプサイシンの摂り方

1964_235先ほどの研究では、1日6mgのカプサイシンを3ヶ月摂るという条件で、腹部脂肪の減少効果があったとのことです。

ですので、中性脂肪を下げるにあたっても1日6mgを目安量として考えましょう。

これは健康に問題のない数値と考えて大丈夫です。

カプサイシン6mgを唐辛子の量に換算すると、15g摂る必要があります。

有名な韓国の唐辛子料理であるスンドゥブチゲは、1人前で唐辛子大さじ2杯(4g)程度と、目安量に届かせるには少ない数字です。

1日6mgのカプサイシンを唐辛子料理から摂るのは、辛いものが好きな方にとってもなかなか難しそうです。

他の摂り方としては、辛いお菓子として売り出されているものもあります。

セブンイレブンで販売されている「燃えよ唐辛子」は、唐辛子の輪切りに小麦粉をまぶして揚げたものです。

ですが、あまり口の中がヒリヒリするものを我慢して食べるのはおすすめできません。

カプサイシンを摂るならば、なるべく刺激を強すぎないものを摂ることがポイントです。

それは後に説明しますが、カプサイシンの刺激が体へのダメージになることもあるからです。

カプサイシンのサプリメントもいくつか出ており、カプサイシンを確実に摂るためには、また、辛味が苦手な人にとっては、サプリメントを利用するのも手軽な方法です。

カプサイシンの摂取には胃腸への注意点あり!

1964_235カプサイシンは健康効果も期待できますが、喉や食道を傷つけることがわかっています

食道や喉の傷は炎症として痛みが出るだけではなく、そこからガンが発生することもあります。

また、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」というように、胃に入ってしまうと熱さもが辛さも感じにくくなります。

辛さは舌の上での熱さよりも、胃や腸に与えるダメージが大きいです。

辛いものを食べていると口は慣れていくかもしれませんが、胃腸にとっては刺激が続くことになります。

辛いものが好きでも、体が疲れている時や、一般的に食べられないような辛さのチャレンジメニューなどは避けたほうが良いでしょう。

また、カプサイシンのサプリメントであっても、摂ると体が熱くなります。

体の熱さが何時間も続いたり、胃や腸の調子が悪くなって食事が摂れない場合はサプリメントを中止して下さい。

また、サプリメントは記載されている1日の目安量以上は摂らないようにすることが大事です。

まとめ

1964_236カプサイシンは脂肪燃焼効果が期待できる成分です。

血中の中性脂肪を直接下げる作用はありませんが、腹部脂肪を下げるという研究結果があり、脂肪細胞から出ている体に悪影響を与える物質(アディポサイトカイン)が減る効果が期待できます。

それは心疾患や脳血管疾患につながる動脈硬化を遅らせることに繋がります。

その効果が期待できるほどのカプサイシンを唐辛子そのものから摂るには、かなりの量を食べなくてはならないので、摂りたい場合はサプリメントを利用するのがおすすめです。

しかし、カプサイシンには健康効果だけでなく、辛さという刺激が胃腸に与える悪影響も大きいです。

口の中に痛みを感じるほどの辛さのものは避け、胃腸を守りながら、唐辛子・カプサイシンを活用しましょう。

唐辛子を使ったおすすめレシピはこちら:
カレーを食べると中性脂肪は上がる?ルーの選び方で差がつきます
中性脂肪が高い人に適したお弁当レシピ~管理栄養士オリジナル開発のカンタン時短アイディア集

関連記事


監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

スポンサーリンク