中性脂肪を上げるための食事・生活のポイント5つと、低すぎるときのリスク9つとは!?今日からできる対策を看護師が教えます

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1964_132中性脂肪は体に悪いもの、と思っていませんか?

中性脂肪は体を動かすエネルギー源としてとても大切な栄養素です。

もちろん高すぎは内臓脂肪が増加し病気につながりますが、実は低すぎも問題があります。

ここでは中性脂肪が低くなってしまう原因と考えられる病気、そして中性脂肪を上げるための対策を看護師が解説していきます。

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中性脂肪の役割

1964_112中性脂肪は、体に貯蔵するエネルギーとして、普段は肝臓、内臓、皮下などの脂肪組織に蓄えられています。

基礎代謝や身体活動では、ブドウ糖が優先的に使われますが、ブドウ糖が不足した場合、それを補う形で中性脂肪は使われます。

他にも中性脂肪は体温を保つ、内臓の位置を固定させる、外部の衝撃から内臓を守るなど、体内でとても重要な働きをしている栄養素なのです。

中性脂肪の適正値

中性脂肪の適正値は、次のようになります。
健康診断結果の見方。中性脂肪の正常値・異常値とは?

  • 正常値:30~149mg/㎗未満
  • 軽度高中性脂肪血症:150~299mg/㎗未満(経過観察レベル:食事・運動療法を始める時期)
  • 中等度高中性脂肪血症:300~749mg/㎗未満(要注意レベル:食事・運動の他、薬物療法も考慮する時期)
  • 高度高中性脂肪血症:750mg/㎗以上(危険レベル:膵炎の危険性があり薬物療法必須)

中性脂肪が高いと動脈硬化などの原因になり、対策や治療が必要となりますが、基準値の30mg/㎗を下回る場合も問題が生じます。

中性脂肪が低い原因

中性脂肪の値が29mg/㎗以下の場合は「低中性脂肪血症」という状態の可能性があり、何か病気によるものなのか調べる必要があるかもしれません。

原因としては次のようなものがあります。

1.遺伝や体質

1964_50親も中性脂肪が低い場合は、その体質を受け継いだかもしれません。

100万人に1人以下とごくまれですが「無βリポタンパク血症」や「原発性消化不良症候群」など、遺伝性疾患によって中性脂肪が低くなる場合もあります。
中性脂肪に遺伝性・家族性はある?

両者とも脂肪の消化吸収が阻害される病気です。

2.無理なダイエット

極端な食事制限や特定の食品しか食べないダイエットなどを行うと、体は栄養不足、飢餓状態に陥り、蓄えるべき中性脂肪もエネルギーとして消費され、少なくなってしまいます。

3.極端な偏食・少食

当然のことながら、お菓子しか食べないなどの激しい偏食は、中性脂肪のみならず、すべての栄養素が足りない慢性栄養不足になります。

少食の場合も蓄えるべき脂質が食事で確保できないため、中性脂肪が常に足りない状態になってしまい減ってしまいます。

4.肝臓疾患

肝臓は、体に入ってきた脂肪酸や糖質を中性脂肪に合成し貯蔵する役割をしています。

肝硬変などの疾患で肝機能が下がると、中性脂肪を合成できなくなり、数値が下がります。

5.甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症は、甲状腺の活動が異常に活発化し、甲状腺ホルモンが多量に分泌され、代謝が異常に高くなる病気です。

動悸や頻脈、過剰発汗、全身倦怠感などが見られ、体は常に運動しているような状態になります。

そのためエネルギー源として貯蔵してある中性脂肪もどんどん使われ、数値が下がっていきます。

中性脂肪が低いと生じるリスク9つ

中性脂肪が低いとどのような問題が生じるのでしょうか。

1.疲労感が出る
1964_113貯蔵エネルギーが減り、使えるエネルギーが少なくなるので、疲れやすくなります。

脳にも栄養がいかなくなり、頭がぼーっとしてしまいます。

2.脂溶性ビタミン欠乏症(ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、βカロチンなど)になる
脂溶性ビタミンは、普段は肝臓や脂肪組織に貯蔵され、必要になった時に中性脂肪に溶け込んで体内を巡ります。

これらのビタミンは、皮膚や粘膜の健康維持、歯や骨の成長、免疫力向上、血管壁や細胞膜の強化、血液凝固作用などの働きがあります。

中性脂肪が低くなると、必然的に油に溶けて体を巡る脂溶性ビタミンも運べなくなるため、体内で不足してきます。

そのため、次のような症状が現れてきます。

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  • 免疫力が低下し、風邪をひきやすくなる
  • 眼や口内粘膜の病気(ものもらい、結膜炎、口内炎、唇の荒れなど)になりやすくなる
  • 抜け毛、肌荒れなど皮膚トラブルが生じる
  • 骨の成長が阻害され、背が伸びなくなる
  • 骨粗しょう症(骨がもろくなり、折れやすくなる)のリスクが上がる
  • 出血傾向(鼻血が出やすい、あざなど内出血が起こりやすい、血が止まりにくいなど)になる
  • 血管の老化による動脈硬化が進む

このような状態になると、日常生活にも支障が出てきてしまうため、中性脂肪を適正な値まで増やすための対策を考えていく必要があります。

中性脂肪の増やし方

肝臓や甲状腺疾患の場合は、治療が必要になりますので、早めに医療機関を受診しましょう。

疾患的な問題がなく、食生活や体質が原因で中性脂肪が低い場合は、日常生活習慣を見直すことから始め、出来ることからアプローチしていきましょう。

食生活の改善

1964_48中性脂肪が低いということは、栄養不足の状態ということです。

食生活を一度見直し、次のことを実践してみましょう。

急いで始めてほしい順にご紹介します。

1.1日3食必ず食べる
過度な食事制限や少食で低栄養状態の場合、食事を抜いたり、食べる時間が不規則なケースが多いです。

まずはある程度決まった時間に食事をする、という習慣をつけましょう。

2.炭水化物を多めに摂る
005中性脂肪が低いということは、体内がエネルギー不足に陥っている状態なので、まずはすぐエネルギーになる炭水化物を積極的に摂りましょう。

ごはん、パン、麺類など、主食に多く含まれています。

炭水化物が分解されたブドウ糖は脳の栄養源となります。

脳に十分な栄養が行き渡れば、神経機能が正常化し、ぼーっとしたり、疲労感が抜けないといった状況が解決されます。

3.炭水化物、たんぱく質、脂質をバランス良く摂る
「2.」がクリアーできたら、次の段階に進みます。

エネルギー確保のためと炭水化物に比重を置きすぎず、たんぱく質、脂質もきちんと摂るよう、意識を向けていくことが大切です。

栄養素をバランス良く摂ることで、中性脂肪が体に必要量合成されます。

また、タンパク質からできるアミノ酸や脂質からできる脂肪酸などは、脳細胞の質を高めるのに重要な成分です。

脳だけでなく筋肉、血管など体内組織の大切な構成成分なので、しっかり摂るようにしましょう。

4.食事管理アプリの利用
1964_115「バランス良く食事をとって」と言われても、特別な栄養の勉強をしてきた人でなければ、漠然としていて何が正しいのか、バランスがいいのか、分かりづらいですよね。

そこで食事記録をつけることをおすすめします。

何を食べたか書くことで、何が不足しているかが把握しやすくなります。

メモ帳に書き出すだけでも良いですが、スマートフォンのアプリを利用するのも良い方法です。

<おすすめアプリ>
  • カロリーママ:食事内容を入力すると管理栄養士が毎食アドバイスしてくれます。運動量も自動に記録され、次の食事のアドバイスがもらえます。
  • 快食番人:食事内容の入力で13成分を記録でき、糖尿病や腎臓病予防など目的を設定すると栄養成分の許容範囲が自動に設定されます。

他にもいろいろありますので、使いやすいアプリを見つけて利用してみましょう。

食事や運動管理が続けやすくなります。

あなたは太りすぎじゃない。大丈夫だと安心感を持てるように気持ちを変えていきましょう

1964_116中性脂肪が低い原因が、極度なダイエットや偏食にある場合、女性に多い「やせ願望」に起因するかもしれません。

普段目にする女優さん・モデルさんの影響で「やせ=美しい」という偏った価値観を持つ人は、特に十代~二十代の女性に非常に多いです。

そのため、○○ダイエット、○○抜き、という言葉に反応して実行したり、体重の数字ばかりに執着しやすくなります。

そうなると必然的に次のような悪循環が起こります。

やせ願望
→無理なダイエット
→栄養不足
→体が本来の機能を発揮できない
→体の調子が悪くなる
→眠れない、起きれない、だるいなど症状が出る
→生活が不規則になる
→生活の質が落ちる
→精神的に落ち込む
→更なる体の機能低下
→体調がどんどん悪くなる・・・

1964_117体の調子が悪いと、やる気の低下など精神活動にも影響が出てきます。

やせ願望のある方は「やせている=美しいではない」と気持ちを変えていくことが必要です。

体重が少なければ美しいというわけではありません。

食事をバランス良く摂ることが結果的には、健康な体と心を維持し、生活の質を向上させることができるのです。

近年はダイエットの傾向も、単に体重の数値を減らすのではなく、しっかり食べながら代謝のいいからだづくりをし、筋肉をつけ、しなやかで強く、健康的な美しさといったイメージで、シルエットを改善していくのが世界中のトレンドです。

あなたのダイエットも、そういった形に方向転換をしていくと、体の中身も外側も、一緒に美しく、健康的になっていくことができますので、看護師としてはぜひそのような体作りを応援したいと思います。

まとめ

中性脂肪は、エネルギー源、栄養成分の運搬役として、体になくてはならない大切な成分です。

数値が適正値より低く、疲れやすいなどの自覚症状があれば、中性脂肪値を上げるための対策を実践することをおすすめします。

肝臓や甲状腺などの病気が関与している場合もありますので、症状が強い時は、速やかに医療機関で診察してもらいましょう。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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