ストレスと睡眠不足だけでも中性脂肪が上がる!?その理由と3つの対策

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1964_92中性脂肪の上昇は食事や飲酒によるカロリーオーバーが主な原因ですが、実はストレスや睡眠不足も大いに関連しています。

対人関係や仕事に対し、ストレスを過度に感じてはいませんか。

夜型生活の常習化で睡眠不足になっている場合もあります。

ストレスや睡眠不足は体にどのような変化をもたらし、中性脂肪にどのような影響を与えるのでしょうか。

ここではその理由と、実践できる対策を看護師が解説していきます。

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中性脂肪が上がりやすい生活の特徴

どんな生活が中性脂肪に影響を及ぼすのでしょうか。

まずは自分の生活をチェックしてみましょう。
  • 夜遅くに食事をする(夜10時以降)
  • 生活が不規則で食事時間が一定でない
  • 熟睡感がない、睡眠不足である
  • ストレスを感じることが多い
  • 運動をほとんどしない
  • 日常であまり歩かない、車移動が多い
  • お酒をよく飲む(毎日日本酒3合またはビール3本以上)
  • たばこを1日1箱以上吸う
  • 肉類や脂っこい食べ物が好き
  • スイーツや乳脂肪製品(チーズ、バター、生クリームなど)が好き
  • 野菜をあまり食べない
いかがですか。

該当項目が多いほど中性脂肪が上がるリスクが増えることになります。

ここからは、上記のうちのストレスと睡眠不足について、堀り下げて見ていきましょう。

ストレスが中性脂肪を上げる理由

1964_96ライフステージによって内容は違うものの、人は仕事関連や人間関係で常にストレスを抱えています。

上手く発散できていればよいのですが、ストレスが過剰になると、体はストレス反応を起こします。

ストレスを感じていると、防御反応として副腎皮質から「コルチゾール」というステロイドホルモンの分泌が促進されるのですが、このホルモンは血糖値を上昇させる作用があるのです。

急激に上昇した血糖は中性脂肪を生成し、結果として血中の中性脂肪が増えていくことになるのです。
血糖値の急上昇を防ぐと中性脂肪も下がる?血糖コントロールのコツを栄養士がアドバイス

それだけでなく、ストレスが溜まるとやけ食い、やけ酒に走りやすくなりますよね。

それはストレスにより食欲中枢を刺激するホルモンが分泌され、食欲増進につながるためです。

結果、カロリーオーバーとなり中性脂肪が増えていってしまいます。

睡眠不足が中性脂肪を上げる理由

最近の調査で、睡眠と中性脂肪の関わりが明らかになってきました。

睡眠時間が6~8時間の女性は中性脂肪が最も低い、という報告もあります。

睡眠と中性脂肪、そこには成長ホルモンが関係しています。

1.成長ホルモンの作用
成長ホルモンというと身長を伸ばす作用のイメージが強いですが、他にも重要な作用があります。

それは代謝を促し、エネルギーを生成する作用で、その一つに脂肪分解作用があります。

成長ホルモンは子供から大人まで誰にでも必要なホルモンなのです。

2.成長ホルモンの分泌メカニズム
成長ホルモンは入眠後2~3時間の間隔で、ノンレム睡眠(深い眠り)に入った時に大量に分泌されます。

よって、睡眠時間の不足や、浅い眠りの場合は分泌が抑制されてしまい、脂肪分解作用が低下し、体に脂肪が溜まっていくことになります。

成長ホルモンの分泌には、適正な睡眠時間の確保と深く熟睡する良質な睡眠が必要で、それが中性脂肪の低下にもつながっていきます。

ストレスが多い、睡眠時間が短い人への中性脂肪対策

1964_98それではストレスが多かったり、睡眠時間が不足しがちな場合は、どのようなことに注意していけば良いでしょうか。

効果のある対策はたくさんあります。「できそう」と思えるものから、まずは1つ、今日からトライしてください。

ストレスはコーピングで対処しよう

現代はストレスがたまりやすい社会です。

「これはストレス」と明確にわかるものもありますが、自覚なく蓄積していることもあり、それが心や体にトラブルを起こすことになります。

その対策として「コーピング」が注目されています。

1.コーピングとは?
コーピングはストレス対処法の一つで、心理学の「認知行動療法」を基本につくられています。

自分のストレスを客観的に観察し、そのストレスに合った自分のオリジナル対策を実践していく対処法です。

そのやり方をみていきましょう。

2.コーピングの手法

(1)オリジナル対策のリストアップ:ストレスを感じた時、何をすれば気晴らしになるか考える
  • リストアップの目標は100個です。100個と言うと多く感じられますが、次のようにコツを意識すると、案外簡単に挙がります。
  • リストアップのコツは、「行動するコーピング」と「認知するコーピング」を取り入れることです。
  • 行動するコーピング:カラオケに行く、ショッピングする、外食をする、旅行に行く、部屋の模様替え、早寝するなど
  • 認知するコーピング:新しいマイホームを想像する、家族旅行を回想する、行きたい外国をイメージする

1964_102身近な行動から妄想を膨らますことまで、自分の気晴らしになるものは全て立派なストレス対策です。

オリジナルの対策をどんどん挙げていきましょう。

一度に100個は無理なので、思いついた時に書き出していけば大丈夫です。

(2)ストレスの観察:ストレスを感じたら、それがどのようなストレスか客観的に観察する
  • ストレスの強さはどのくらいか
  • 体が反応したか(頭痛、腹痛、動悸、疲労など)
  • 心が反応したか(気分が落ち込む、イライラするなど)

自分で客観的に分析してみることが大切です。

その結果で対策を選んでいくことになります。

(3)オリジナル対策の実践:そのストレスに合った対策をリストから選び実践する
  • 体が反応したストレス
  • 長時間試験勉強をした、会議で司会をした、営業で長く歩いたなど、体で感じたストレスは、その後、頭痛や疲労感を感じますよね。
    この種のストレスには、リラックス系の対処法が適しています。アロマの香りや入浴、音楽鑑賞などで気分を落ち着ける方法が効果的です。
  • 心が反応したストレス

1964_101仕事でミスをした、友達とケンカをした、取引先とトラブルがあったなどで感じたストレスでは、落ち込んだりイライラがつのったりするものです。

この種のストレスには、気分を盛り上げすっきりさせる対処法が適しています。

カラオケやスポーツなどで、もやもやを発散させる方法が効果的です。

(4)ストレスが軽減したか評価:実践後に判断し次の対策につなげる
(1)~(3)を実践した結果、そのストレスはすっきり解消したか、まだ残っているか、全く変わっていないかなど評価してみます。

まだストレスがあるなら対策を継続、または別の対策に替えて実践を続けていきます。

コーピングはストレスを受け入れ、意識的に対策を繰り返すことで「ストレスは自分で解決することができる」とストレスに立ち向かう力、そしてストレスと上手く付き合えるマネジメント力が養えます。

それを獲得するのがコーピングの目的です。

ストレスは血圧、血糖値、中性脂肪、コレステロールを急上昇させ、その結果、血栓ができやすくなり心筋梗塞へと一気に進行することもあります。
中性脂肪・動脈硬化が引き起こす病気

また脳細胞に損傷を与えることもわかってきました。健康を守るためにストレス対策はとても重要です。

早速、オリジナルのストレス対策リストを作ってみることを看護師としておすすめします。

睡眠の質を高めよう

Fotolia_67224843_S_2中性脂肪の正常化には、ストレス対策と共に睡眠不足も解消していく必要があります。

睡眠は時間の長さだけでなく質が大切です。

良質な睡眠をとるには次のようなことが必要です。

1.自分に適正な睡眠時間を知る
日本人の標準的の睡眠時間は6時間以上8時間未満となっていますが、睡眠時間は年齢や季節によって個人差があります。

自分に適正な睡眠時間の目安は次の通りです。
  • 朝起きた時に熟睡感があるか
  • 日中眠気がないか
  • 活動に支障はないか

「○時間寝たから大丈夫」など、時間の長さで判断するのではなく、自分に合った睡眠時間を見つけることが大切です。

2.朝日を浴び、体内時計を毎日規則正しくリセットする
体には25時間単位の体内時計があり、毎日リセットされています。

しかし1日は24時間なので、少しずつズレが生じ、それを毎日一定時間にリセットすることが大切になります。

リセットスイッチは朝の太陽光を浴びることで入ります。

体内時計のリズムに合わせて生活すると、各ホルモンが本来の働きができ、日中はアドレナリンの働きで活発に活動し、夜はメラトニンの働きで深く眠れるという良いリズムが定着し、睡眠の質が自ずと高まります。

3.体内時計を上手に動かす日常生活でのポイント
  • 起床、就寝時間を毎日一定にする
  • 3食の食事の時間を決める
  • 朝食は必ず食べ、朝日を浴びる
  • 日中は十分に活動する
  • 運動を習慣化する
  • 就寝2時間前はパソコンやスマートフォンを止め、脳をリラックスさせた状態で床に入る
  • 入浴で血行を促し疲労をとり、心身共にリラックスさせる
  • 就寝時は暗くする(テレビ、豆電球も消す):メラトニンの分泌促進のため

生活リズムが整うと心身が安定し、ストレス耐性も高まります。

睡眠の質を高めるとともに、ストレスに強い体を作っていきましょう。

まとめ

1964_95ストレスや睡眠不足で上がった中性脂肪は、思わぬ病気を引き起こしかねません。

自分に合ったストレス対策を見つけて実践すること、良い睡眠をとることは、心身の健康維持の基本になります。

早速できることから実践していくことをおすすめします。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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