わかめ、もずくなどの海藻が中性脂肪を下げるメカニズムとおすすめの摂り方

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1964_46健康診断などで中性脂肪が高いと指摘されたことはありませんか?まだ治療するほどではないとしても危険域にいることは間違いありません。

これ以上高くなる前に対処したいところですね。まずは食事内容から見直してみませんか?
中性脂肪値を下げる食品とメカニズム、おすすめの摂り方まとめ

わかめ、もずくなどの海藻類が良いと聞いたことはないでしょうか。

ここでは海藻類がどのような作用で中性脂肪を下げるのか、また具体的な摂り方について看護師が解説していきます。

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わかめ、もずくってどんな食べ物?

海藻類は低カロリーでダイエットにも最適、とご存知の人も多いと思います。低カロリーだけではありません。

もっと驚く効果があるわかめやもずく。どんな食べ物かみていきましょう。

わかめについて

まずはわかめの主な栄養素をみてみましょう。わかめにはビタミン、ミネラルを始め食物繊維が豊富に含まれています。

わかめの効用としては中性脂肪を下げるほか、次のようなものがあります。

わかめ原藻、生(可食部100gあたり)
栄養素 含有量 働き
エネルギー 16㎉  
たんぱく質 1.9g  
脂質 0.2g  
炭水化物 5.6g  
カルシウム 100mg 骨や歯を丈夫にする
マグネシウム 110mg 精神安定、心身の活性化、カルシウムの補助
0.7mg  
カリウム 730mg 高血圧の予防
ヨウ素 1600 µg 精神安定、心身の活性化
ビタミンA(β-カロチン) 940µg 抗酸化作用
ビタミンK 140µg 骨を丈夫にする作用
食物繊維総量 3.6g 腸の活性化、便秘解消

ほかにも髪を美しくする効果や甲状腺疾患、筋肉のけいれんを予防する効果があります。

もずくについて

もずくの栄養素は次の通りです。もずくは100gあたり4㎉と、わかめよりさらに低カロリーです。

もちろんミネラルも豊富ですが、食物繊維の一種「フコイダン」が褐藻類(表面がヌルヌルしている海藻類)の中で最も多く含まれています。

もずく(可食部100gあたり)
栄養素 含有量
エネルギー 4㎉
たんぱく質 0.2g
脂質 0.1g
炭水化物 1.4g
カルシウム 22mg
マグネシウム 12mg
0.7mg
カリウム 2mg
ヨウ素 140 µg
ビタミンA(β-カロチン) 180µg
ビタミンK 14µg
食物繊維総量 1.4g

もずくの中でも、沖縄もずくは「太もずく」と言われ、一般のもずく「糸もずく」より太くて食べごたえがあります。フコイダンの含有量もずば抜けて多いです。

また、めかぶはもずくよりも食べる機会が少ないですが、高いフコイダン含有量をもっています。

<褐藻類フコイダン含有量 100gあたり>
  • めかぶ:10.0g
  • 沖縄もずく:2.0-2.3g
  • 昆布:0.8g
  • 糸もずく:0.5-0.8g
  • わかめ:0.4-0.6g

沖縄もずくには、他の褐藻類より5-8倍も多くフコイダンが含まれています。できれば沖縄もずくを摂れたら良いですね。

海藻が中性脂肪を下げるメカニズム

それでは肥満の元になる中性脂肪を下げるため、海藻類はどのような作用をするかみていきましょう。

わかめ・もずくに含まれるフコイダンが中性脂肪を下げるのです

1964_38「フコイダン」は、水溶性食物繊維で、腸内からさまざまな有害物質を除去するのに有効と言われています。

腸の活動を活発にし、腸内環境を良好にするほか、次のような作用があります。

・血中脂質を下げる:脂肪を吸着し体外へ排出させる

・肝機能を高める

・胃炎、胃潰瘍の予防:胃潰瘍の原因となるピロリ菌を除菌する作用があると示唆されています

・免疫力を高める:腸管内でナチュラルキラー細胞(腫瘍細胞や感染細胞を攻撃するリンパ球)を活性化させる

・アレルギー症状の緩和:アレルギー反応を起こすIgEの過剰生成を抑制する

フコイダンを多く含むわかめやもずくは、今、最も注目されている食品の一つです。

このうちの、フコイダンが血中資質を下げるメカニズムについて、次項で詳しく見ていきましょう。

フコイダンが力を発揮!

わかめ、もずくといった海藻類には水溶性食物繊維であるフコイダンが多く含まれています。

このフコイダンが血中の中性脂肪を下げる重要な役割をするのです。作用機序には次の3つがあります。

① 脂肪を吸着し体外に排出
フコイダンは、腸内において中性脂肪の元となる脂肪を吸着し、便として体外に排出させます。結果として腸内で余分な脂肪が体内に吸収されるのを抑制する働きをします。

②胆汁酸と結合し体外に排出
胆汁酸は肝臓でコレステロールから生成され、食事をすると肝臓から十二指腸に分泌され脂肪の消化、吸収を促します。

本来、胆汁酸は役割を終えると、腸で再吸収され肝臓へと戻りますが、フコイダンはこの胆汁酸と結合し便として体外に排出させる役割をします。

肝臓では胆汁酸が戻ってこないため、新しく胆汁酸を生成しなければなりません。その材料としてコレステロールが使われるため、血中のコレステロールが下がるという結果になります。

③腸内環境を改善し有機酸を生成
フコイダンは、腸内の善玉菌を特異に増殖させる作用があります。善玉菌は食物繊維を食べ、乳酸、酢酸、コハク酸などの有機酸に分解します。

この有機酸が肝臓での脂質合成を抑制する働きをします。

わかめ、もずくなど海藻に含まれるアルギン酸も、中性脂肪対策の強い味方

海藻類にはアルギン酸も多く含まれています。フコイダン同様、アルギン酸も水溶性食物繊維で、海藻類のぬめり成分です。

フコイダンとともに中性脂肪、コレステロールなど血中の脂質を下げる作用に優れ、腸内環境の改善や高血圧の抑制などにも効果を発揮します。
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中性脂肪が高い人に適したわかめ・もずく・海藻の摂り方

このような効果のあるわかめ、もずくなどの海藻類は、日々の食事に必ず取り入れたい食品です。どのように摂れば効果的なのでしょうか。

わかめ、もずくなど海藻の摂り方のポイント

1964_48わかめ、もずくなどの海藻類が中性脂肪を下げると言っても、それだけ単品で大量に食べたり、食事を抜いてそれだけ食べたりするのは、栄養が偏り、健康にとって逆効果になりかねません。

海藻は低カロリーですので今までの食事に一品プラスする、という方法が気軽に始められて良いでしょう。効果的な摂り方は次の通りです。


・食事の最初に摂る

海藻に含まれる水溶性食物繊維には、腸内での糖質、脂質の吸収を抑える働きがあるため、食事の最初に食べることでその効果を十分発揮できます。

そして水溶性食物繊維は水分を吸収しておなかの中で膨らみ、消化にも時間がかかるため、腹持ちが良く、満腹感も得られて食べ過ぎをセーブできます。

・ 油を使い、脂溶性ビタミンビタミンAの吸収率をアップ
海藻に多く含まれるビタミンAは、脂溶性ビタミンという油に溶けて体内で吸収される性質を持つビタミンです。

そのため、海藻を油で調理することと、ビタミンAの吸収が良くなります。わかめの油炒めや、海藻サラダにドレッシングとして油を使うのも良いでしょう。

使用する油は、中性脂肪を下げる不飽和脂肪酸を含むオリーブ油、紅花油、亜麻仁油、しそ油、ごま油などを使うとより効果的です。

ただし、亜麻仁油は熱を加えると酸化して劣化してしまいやすいので、ドレッシングとしての生食が適しています。

・酢を使う
わかめやもずくと言えば酢の物を思い浮かべる人が多いでしょう。に含まれる酢酸は、糖質の吸収を抑え、中性脂肪の合成を抑制します。

食物繊維を柔らかくする働きもあり、食べやすくなります。海藻と摂ればお互いの効果アップができますね。

海藻の一日の適量はどのくらい?

海藻類は、一日どのくらい摂取すればよいでしょうか。

・1日に必要な食物繊維量の全体の10%を海藻で摂ろう

一日の食物繊維必要量は男性19g、女性17gです。野菜、果物、きのこ類にも食物繊維は多く、これらとバランス良く摂取することが大切です。

海藻類20g~30gで食物繊維1~2g摂取できます。目安は小鉢1品分です。毎日一品は海藻を使った料理を食べるようにしましょう。

・ヨウ素の摂り過ぎに注意
ヨウ素は大切なミネラルですが、過剰摂取してしまうと甲状腺機能低下症を引き起こすリスクがあります。

ヨウ素の一日推奨量は130㎍、上限摂取量は3000㎍です。生わかめは100gあたり1600㎍、わかめのお惣菜1鉢分は20g(320㎍)程度です。

海藻ばかりの偏食にならなければ、さほど気にすることはありませんが頭の片隅に入れておき、「海藻だけ食べるダイエット」など、極端な摂り方に走らないよう、気を付けてくださいね。

(参考:総合医療情報発信サイト

まとめ

1964_50海藻は血中の脂質を下げる他にも、多様な優れた効果があることが分かりました。

不足しがちなミネラル、ビタミン、食物繊維が摂れる海藻を1日1品は摂っていくようにしましょう。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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