60代で中性脂肪が高いと動脈硬化の危険あり。今日からできる簡単対策で中性脂肪を下げよう

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シニア夫婦中性脂肪は男性では30代から、女性では40代後半から上昇する人が増えてきます。

60代男性では2人に1人、女性では3人に1人の割合で中性脂肪が平均より高くなっています。

60代は第一線から退き、シニア世代へと移行していく年代です。今までの人生経験を活かし第二の人生のスタートとも言えますが、残念ながら体には老化現象が現れてきます。

今まで忙しかったため、体のケアを怠ってはいませんでしたか?

60代で中性脂肪が高くなる理由と、改善策について看護師が解説していきます。

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60代で中性脂肪が高い理由

60代で中性脂肪が高くなる原因は次のものがあります。

体内の筋肉量、水分量の減少

体内の脂肪の比率シニア世代に入ると、体の「はり」が減り皮膚も柔らかく薄い感触になります。

男女とも更年期を経て性ホルモンが激減することで、筋肉量が減少、皮膚の保水機能も低下し、体内の水分量が減少するため見られる現象です。

その結果、体内の脂肪の比率が高くなっていきます。

筋肉量は年齢とともに年間1~2%ずつ減少し、65~80歳では20代に比較し30~40%も減少してしまいます。

筋肉量が減ることでエネルギー消費量が減り、余った分が脂肪として蓄えられていくことになります。
(参考:国立長寿医療センター

運動不足

私たちの体は、動かすことで機能が維持するようにできています。若い時は基礎体力で乗り越えられても、年を重ねるにつれ、動かさなければ体の機能は衰える一方です。

運動不足は、筋肉の低下はもちろん、血液循環、消化吸収、神経系などにも影響を与え、体全体の代謝機能の低下を早めてしまいます。

体を動かさないと、疲れやすい、だるい、動くのが億劫、うつな気分になるなど、内にこもる生活に陥りやすく、エネルギーを消費せずためてしまう体になっていきます。

加齢により基礎代謝も低下しているため、エネルギーは余り、中性脂肪を合成していくことになります。

60代の中性脂肪は動脈硬化に直結するリスクが!

中性脂肪の異常は早めに対策中性脂肪やコレステロールが正常より増え過ぎると「脂質異常症」になります。

男性では40~50代、女性では50~60代に多くみられるように、中年~高齢期に起こりやすい病気です。

脂質異常症は自覚症状が乏しく、知らないうちに体内、特に血管に異変が起きていくケースが多く、高血圧や高血糖とともに「サイレントキラー」と言われています。

誰でも血管は加齢とともに老化していきます。血管膜の間にコラーゲンが増え、内膜が肥厚することで血管の弾性が失われ硬くなる「動脈硬化」が生理的現象として起こります。
中性脂肪・動脈硬化が引き起こす病気

そこに中性脂肪やコレステロールがたまると血管の空間が狭くなり、さらに弾力性もなくなり、 動脈硬化の進行を早めてしまうのです。

動脈硬化が進行すると、血管が硬くなりもろくなる、 血管の空間が狭くなる

血流が悪化

血栓ができやすくなる

血管がつまる、やぶれる

脳梗塞、脳出血、狭心症、心筋梗塞などを発症

このように生命に関わる病気を引き起こす危険があります。健康診断等で中性脂肪の異常が見つかったら、すぐに今日からできる対策を始めることが大切です。

中性脂肪の改善には食事療法と運動を

動脈硬化が進行する前に、中性脂肪を正常値に戻せるようにしたいですね。改善方法としては食事療法と運動がメインになります。

食事での注意点

バランスの良い食事中性脂肪が高い場合、食事のバランスに偏りがあることが多いです。

食事のバランスには次の2つがあります。

  • 摂取エネルギーと消費エネルギーのバランス
  • 主食、主菜、副菜のバランス

摂取エネルギーが消費エネルギーより多いと、当然エネルギーは余ります。エネルギー収支を整えるため、まずは自分の適正エネルギーを確認してみましょう。

➀60代の1日の適正エネルギー量
  • 60代男性(身長170cm):活動量軽い2,050㎉~普通2,400㎉
  • 60代女性(身長155cm):活動量軽い1,650㎉~普通1,920㎉

重労働をしていない限り、この範囲を目安にできます。これを基本に1日の食事量を配分すると次のようになります。

  • 男性:1食当たり700~800㎉
  • 女性:1食当たり550~640㎉

この範囲で収まるように意識していきましょう。

②主食、主菜、副菜をバランス良く
エネルギー量だけでなく食事内容も大切です。偏りがあると栄養のバランスが崩れ、体全体の機能が上手く働けません。主食、主菜、副菜をバランス良く摂取することが大切です。

  • 主食:身体を動かすエネルギーになる → ごはん、パン、麺類など
  • 主菜:筋肉の元になる → 肉、魚、卵、大豆など
  • 副菜:栄養分の吸収を助け、体の調子を整える → 野菜、海草、きのこ類など

どれかに偏ることなく、毎食この3つを意識してバランス良く摂っていきましょう。例えば、あじの塩焼き定食をイメージしてください。

<ごはん+魚+みそ汁+ほうれん草のごま和え=約500㎉>

栄養バランスもよく、エネルギーも適切です。カレーや丼物はカロリーも高く、栄養バランスも偏るため、おすすめできません。家でも外食でも定食形式のものを選ぶようにしましょう。

③食習慣の見直し
食習慣全体の見直しも大切です。次のようなことに注意してみましょう。
  • 3食規則正しく食べる
  • 動物性脂肪(肉の脂身、バター、生クリームなど)を控える
  • 菓子類を控える
  • アルコールを控える(アルコールは高カロリーのため)
  • 不飽和脂肪酸(オリーブ油、菜種油、青魚など)を積極的に摂る(中性脂肪を下げる役割があるため)

運動の習慣化

運動の習慣化現役時代は忙しく運動ができなかったとしても、少し余裕ができた今だからこそ、運動を日常生活の一部として取り入れていってはいかかでしょうか。

中性脂肪の改善には有酸素運動が有効です。

ジョギング、水中ウォーキング、サイクリングなどがありますが、運動習慣がない場合、いきなり始めるのは負担が大きいかもしれません。
「誰でもできる」にこだわった!インドア派でも続く中性脂肪を下げる有酸素運動・無酸素運動

そこで、「インターバル速歩」をお勧めしたいと思います。これは「さっさか歩き」と「ゆっくり歩き」を数分間ごと交互に行うウォーキング方法です。

「さっさか歩き」は筋肉に負荷をかけ、「ゆっくり歩き」でインターバル(休息)を加えることで、無理なく筋力と持久力を向上させることができます。

また、骨密度の増加や生活習慣病のリスク改善にも効果があると言われています。

<インターバル速歩を行うポイント>
  • 「さっさか歩き」3分、「ゆっくり歩き」3分を交互に繰り返す
  • 1日15分、週4日以上、5ヶ月続ける
  • 姿勢を正しく、歩幅を広くする

この方法ならば、外出時に気軽にでき、継続も可能なのではないでしょうか。

家族や友人、近所の仲間と一緒にできれば、モチベーションも高まりより頑張れそうですね。自分の健康のための第一歩、ぜひ実践してみてください。

(参考:熟年体育大学リサーチセンター

まとめ

60代は今まで頑張ってきた分、心身共に少し余裕ができる年代ではないでしょうか。体を労わりつつもこれから本格的な老年期を迎えるに当たり、健康を維持、増進していくことも大切になります。

一度、生活習慣、食生活を振返り、自分の体のためには何をすればよいのか考えてみましょう。幸せな老後も健康な体があってこそです。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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