50代で中性脂肪が高い原因トップは更年期! 男女別の体の変化とおすすめ対策

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更年期30代頃から上昇傾向になる中性脂肪。会社の健康診断などではいつも気になりますよね。

すでに黄色信号の人も多いのでは? 

50代では正常値の人の割合が、女性では75%、男性では50%と若い頃に比べて減少してしまい、なんと男性では半数の人が平均値以上になっています。

女性も50代になってから急激に中性脂肪が上昇する人が増えてきます。それはなぜでしょうか。

50代は男女とも更年期です。体に変化が起き、また社会的立場や家庭内の環境もさまざま変化が訪れる年代でもあります。

この体や環境の変化が中性脂肪の上昇する原因の一つになっているのです。

さて50代ではどのような体の変化が起きるのか、そしてそれに対する有効な対策は何かを看護師が解説していきたいと思います。

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50代での体の変化

女性:エストロゲンの減少により太りやすい体質に

減少するエストロゲン50代は女性が気を付けるべき年代と言えます。

40代後半から更年期に入り、50代になるとほとんどの人が閉経を迎え、閉経後は女性ホルモンである「エストロゲン」が一気に減少に向かいます。

エストロゲンは、女性らしさをつくるホルモンです。

乳房、卵巣、子宮などの女性器の発達を促すほか、血管や骨、脳などの組織をしなやかに保ち、そして脂肪代謝を促進させ内臓脂肪を増えにくくする働きがあります。

エストロゲンが減少すると内臓脂肪が蓄積されやすくなり、それが中性脂肪の数値として現れます。

50代はエストロゲンの減少のみでなく、加齢による基礎代謝の低下、筋肉量の低下も見られ、脂肪がつきやすい上に落ちにくくなっていきます。

言い換えれば「太りやすく痩せにくい」体質になるのです。

子供はすでに手を離れ、子育て中のような体力は不要となり、意識して運動をしていないと筋肉は落ちる一方。

そして活動量、筋肉量、基礎代謝が減っているのに摂取エネルギー量は若い頃と同じ、となると余ったエネルギーは脂肪に作り替えられどんどんたまり、肥満につながります。

脂肪はまず肝臓や腸間膜に蓄えられるため、内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)になりやすくなります。

内臓脂肪は分解されやすいため、結果として血液中の中性脂肪が増加、そして善玉コレステロールの減少などで動脈硬化が進み、生活習慣病につながる危険があります。

男性:テストステロンの減少により内臓脂肪が増加

メタボ男性の場合も更年期障害があり「LOH(ロー)症候群」とも呼ばれています。

男性は40代後半から男性ホルモンである「テストステロン」が減少していきます。

テストステロンは性機能や筋肉、骨格の発達を担い、基礎代謝を高め、男性らしさを促すホルモンですが、減少が始まると性欲減退、筋肉量の減少、基礎代謝が下がり体脂肪、特に内臓脂肪が増加していきます。

男女とも言えることですが、内臓脂肪は腸間膜(小腸や大腸を支えている膜)に蓄積するため、腰回りが大きくせり出しているリンゴ型肥満と言われる体型になります。

メタボリックシンドロームの診断でウエスト周囲径が必須項目になっているのはそのためです。(ウエスト周囲径基準値:男性≥85cm/女性≧90cm)

女性の更年期障害では、中性脂肪よりコレステロールの上昇がより顕著に現れますが、男性の場合、中性脂肪の異常が多く見られます。

男性の70%以上の症例で中性脂肪の数値の上昇が見られることから、テストステロンが中性脂肪に大きく影響していることが分かります。

50代での心の変化が中性脂肪を上げやすくする

外出更年期では、男女ともにはっきりした原因がないイライラ、怒りっぽい、不安感、孤独感、うつ、無気力感などが症状として現れます。

なんとなく調子が悪い、だるい、疲れやすいなどの症状も見られ、外出や運動をするのも億劫、新しいことに挑戦する意欲や日々の楽しみも少なくなっていきます。

出不精になると必然的に活動量は減り、筋肉量も運動などで動かさないと減る一方です。

食事も考えるのが面倒となり、出来合いの物などで済ませることも増えるでしょう。

結果、栄養の偏った高カロリー食になり、運動不足でエネルギーは余り中性脂肪が増えることになります。

ストレスを感じると中性脂肪が上がる

そしてこの年代は、子供の自立や親の介護問題、職場での重責など周囲の環境に変化が訪れ、ストレスが増大しやすい時期にも当たります。

私たちの体はストレスを感じていると、防御反応として副腎皮質からコルチゾールというステロイドホルモンが過剰に分泌されます。このホルモンは血糖値を上昇させる作用があります。

急激に上昇した糖は中性脂肪を生成し、結果として血中の中性脂肪が増えていくことになります。

中性脂肪を下げるには食事の改善と運動!

スポーツ増えてしまった中性脂肪、放置しておくと動脈硬化や生活習慣病につながってしまいます。

中性脂肪を下げるには、食事の改善と運動の習慣化が効果的な方法です。

生活習慣の見直しから

まずは日々の生活を振返り、生活習慣での改善点はないか点検してみましょう。そしてできることから早速実践してみることが改善への第一歩です。

➀意識して体を動かす
運動不足になっていませんか? 家電の発達で家事にかかる活動量は減り、外に出ても移動には車や電車を利用、建物内の移動もエレベーターやエスカレーターを使い、運動不足は日常化しています。

運動を定期的にしていない人は、まず意識して体を動かすことから始めましょう。
  • エレベーターは使わず階段を利用する
  • 外出時は早歩きをする
  • きびきびと動く
  • 床の物は膝を曲げて拾う
  • テレビを見ながらストレッチをする

など、工夫次第でいろいろできます。まずは動くことを習慣化していきましょう。

ちょっとした運動を積重ねて一日合計20-30分の運動量が確保できるのが理想的です。
「誰でもできる」にこだわった!インドア派でも続く中性脂肪を下げる有酸素運動・無酸素運動

②生活リズムを整える
生活が不規則になっていませんか? 

50代は更年期障害の影響で寝つきが悪くなったり、熟睡できなかったり睡眠の質が悪くなりやすいです。

睡眠リズムが乱れると生活全体のリズムが乱れ、疲労がたまり、だるい状態から抜け出せなくなります。

また自律神経やホルモンバランスの崩れがおこり、中性脂肪が増えやすい体になってしまいます。

以下を実践してみてください。
  • 起床、就寝、食事の時間を決める
  • 朝食は必ず食べ、朝日を浴び、朝に生活がリセットできるようにする
  • 就寝2時間前はパソコンやスマートフォンを止め、脳をリラックスさせた状態で床に入る
  • 入浴で血行を促し疲労をとり、心身共にリラックスさせる
  • 毎日7-8時間の睡眠を確保する

などの実践で睡眠の質を改善、規則正しい生活を心がけましょう。

③ストレスをためない
ストレスがたまると暴飲暴食に走りやすく、またホルモンバランスが崩れ中性脂肪が上昇する要因になります。

仕事のストレスがたまりやすい男性なら趣味生活を充実させたり、家庭の問題で悩みが多い女性なら家族や友人との会話を楽しんだりし、ストレス発散法を見つけましょう。

④禁煙する
たばこのニコチンなどの成分は、内臓脂肪を増やすコルチゾールを増加させる作用があります。中性脂肪を下げたいならば禁煙は必須です。

➄節酒または禁酒する
アルコールは肝臓での中性脂肪の合成を促進させます。また飲酒により食が進み、エネルギーオーバーになりやすいため、飲酒量は厳守してください。

一日当たりの適量は、
  • 男性:純アルコールで20g(日本酒換算1合程度)
  • 女性:純アルコールで10g(日本酒換算0.5合程度)

食生活の見直し

バランスのよい食事中性脂肪が増える一番の原因は、もちろん過食です。

50代の必要エネルギー量より多く摂り過ぎてはいませんか?  中性脂肪は余分な糖質から合成されます。

そのため糖質制限が必要になりますが、急にあれもこれもではやりにくいですよね。

まずは普段の食生活を思い起こし、食事を適正量にして食行動を改善することから始めましょう。

そして、中性脂肪を上げる食品を控え、逆に下げる食品を積極的に取り入れていくようにしましょう。
中性脂肪値を下げる食品とメカニズム、おすすめの摂り方まとめ

➀自分の必要エネルギー量を知る
  • 男性:活動量少ない 1575㎉-多い2205㎉
  • 女性:活動量少ない1250㎉-多い1750㎉

一日の食事量をこの範囲内にしていきます。

一食当たりのエネルギー量は、
  • 男性は500-700㎉
  • 女性は400-600㎉位

になります。

②食行動の改善
  • 時間を決めて三食食べる
  • 腹八分目に抑える
  • 早食い、ながら食いをしない
  • 間食は控え、食べる時は袋のカロリーを確認する
  • 就寝2時間前は食べない
②中性脂肪を上げる食品を控える
③中性脂肪を下げる食品を取り入れる
  • 食物繊維の多い食品: 野菜類、海藻類、きのこ類、玄米、寒天など
  • 青魚:さば、まぐろなど
  • 大豆:豆腐、納豆、みそ、豆乳など

このように見ていくと、和食中心の食生活が中性脂肪を下げる秘訣となることが分かります。

青魚の油にはEPADHAという成分があり、これらは中性脂肪を下げる効果が非常に優れています。

肉類の代わりに青魚を取り入れ、筋肉の元になるタンパク質もしっかり摂取していきましょう。

まとめ

体の変化、環境の変化… 50代は人生の大きなターニングポイントであり、そして老年期への準備期間でもあります。

一度立ち止まって健康について考えるのに良い時期ではないでしょうか。

自分の体をしっかり管理し、心身共に健康でいることが生き生きとした老後を過ごすことができるキーポイントになりますね。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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