血糖値の急上昇を防ぐと中性脂肪も下がる?血糖コントロールのコツを栄養士がアドバイス

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糖質・炭水化物・主食2014年~2015年ごろにかけて、巷では「糖質制限ダイエット」が大流行しました。

それまで「血糖値」というと、糖尿病の人が気にするものという認識が一般的でしたが、一般人のダイエットにも血糖値のコントロールが効果的だという知識が急速に普及しました。

一方で、糖質制限には危険性や体への負担があることも確かで、内容や実施期間など、専門知識がない人は安易に行うべきではないとする医療関係者の意見も出ています。

この記事では、糖質制限や血糖コントロールのおおまかな内容やその方法の種類を解説し、一般の方でも無理のない範囲で取り入れられる中性脂肪対策としての糖質コントロール方法を栄養士が解説します。

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血糖値と中性脂肪ってどんな関係があるの?

そもそも、血糖値とは?

血糖値を上げやすい二糖類の砂糖血糖値とは、血液中におけるブドウ糖の濃度を示した値のことを指します。

食事を摂取すると、食物中の糖質が分解されて血液とともに全身に運ばれ、細胞のエネルギーとなります。血糖値は、この血液中の糖分の量を示しています。

健康な成人の場合、空腹時は血液1デシリットルあたりで約80~110mg、食後2時間で血糖値は上昇し、約80~140mg程度に保たれています。

体内ではインスリンというホルモンの働きによって、血中の血糖値が一定に保たれているのですが、糖尿病になってしまうと血中のブドウ糖がうまく使われず、全身にさまざまな影響が出てしまいます。

糖質は、エネルギー源である食品中の炭水化物から、食物繊維を除いて残った部分であると、栄養摂取基準において定義されています。

さらに、糖質は単糖類・二糖類・多糖類に分けられ、どの糖類であるかによって体内への吸収のされやすさ、血糖値の上がりやすさが異なります。
砂糖・ハチミツ・パルスイート・オリゴ糖、中性脂肪対策になる甘味料はどれ?

一般に、多糖類は血糖値を上げにくく、単糖類と二糖類は血糖値を上げやすいと言われています。主な食品は、
・単糖類:ブドウ糖、はちみつ、果物に含まれる果糖
・二糖類;砂糖、乳糖(牛乳など)、麦芽糖(てんさいなど)
・多糖類:オリゴ糖、デキストリン、でんぷん
などです。

中性脂肪とは?

続いて、メインテーマである中性脂肪について確認しておきましょう。

中性脂肪とは、エネルギーの源となる脂肪のことを指します。

中性脂肪は多すぎても少なすぎてもよくなく、血液中で体のエネルギー源になったり、体温を維持したり、内臓を守るクッションになったりするという役割を果たしています。

→もっと詳しく:中性脂肪の数値が気になる方へ 〜 下げ方や高い原因など。中性脂肪が高いと言われたら読むカンタン基礎知識

血糖値と中性脂肪の関係

コメ食事をとって体内に糖質が入ると、通常はインスリンというホルモンが分泌されて糖質をエネルギーを生成しますが、糖分の供給量が多すぎると、糖分をもとに生成されたエネルギーを使いきることができなくなってしまいます。

その余った糖質は、肝臓で中性脂肪へと変換されて体内に留まり、エネルギーの消費を待つ状態となります。

中性脂肪が使われないまま蓄積されていくと、脂肪は次第に内臓脂肪や皮下脂肪に変わり、中性脂肪値の異常な上昇や、不健康な肥満体形ができあがってしまうのです。

糖分の過剰供給は、糖分を含むお米やパスタ、パンお菓子、ジュースなどを大量に休みなく摂取し、運動を行わないと起こってしまいます。

一説では、脂肪分の摂りすぎよりも糖分の摂りすぎの方が肥満に悪影響を及ぼすのではないかという考え方もあります。

糖分は人が動いたり考えたりするための大切なエネルギー源のひとつですが、必要量以上を摂りすぎていないかを見直すことで、中性脂肪値の改善やダイエットの方法のひとつとなりえます。

以下に、糖質コントロールの方法のいろいろなやり方をご紹介していきます。

比較的やりやすい「ローカーボ」食

低糖質の食事ローカーボとは、低糖質(糖質制限)のことを指します。

この食事法の特徴としては、意識的に低糖質の食品や食材を組み合わせたメニューを食べることで、過剰な糖分の摂取を避けます。

健康維持に必要な最低限の糖分は摂取し続けますので、無理のない健康的なダイエット方法です。

方法としては、ごはんやパン、麺類といった主食を減らす、または抜きにします。完全にゼロにするのではなく、1回に食べる量を減らしたり、3食のうち1食だけ抜くなど、無理はしません。

また、食事の順番として、最初にごはんなどの主食を口に運ぶと血糖値が急上昇してしまいますので、先に野菜や汁物から手をつけるのも有効です。

近頃ではスーパーやコンビニでもパッケージに「低糖質」「糖質カット」と表示されているパンやケーキ、お酒などが手に入ります。

このような表記がある際は、従来の商品と比べると糖分を減らして製造されていますので、我慢をせずに知らぬ間に糖質オフができ、手軽で続けやすいでしょう。

完全に糖質の摂取を断ってしまうノンカーボ食は極端でNG

ノンカーボとは、完全に糖分の摂取を断つ食事療法です。

糖分を一切摂ることなく、代わりに野菜やお肉を摂取して、体の中では生成されない必須アミノ酸やビタミンミネラルを補給し、健康な体を維持させることを目的としています。

ローカーボ食が適度な糖質の摂取を保つのに対し、ノンカーボ食ではパンやごはんなどの主食はもちろんのこと、調味料やにんじんなどの甘みのある野菜に含まれる糖質さえもカットするため、栄養の正しい知識と、買い物や調理の熟練が必要です。

実行するのが難しいことに加え、本来人体にとって必要な栄養源であるはずの糖類を摂らないで過ごすため、長期的に続けると体への負担が大きいと言われています。

ノンカーボ食について、一部では、糖質はがん細胞を活性化させる餌となると考えられており、糖質は体にとって悪であるという考え方が強いことが特徴です。

断糖することでがん細胞を抑制し、体の健康維持に役立てようとする目的があるとのことですが、栄養指導を受けずに安易に実行するのはあまりおすすめできません。

「グルテンフリー」はよく似ていますが糖質制限とは別物です

パンの小麦グルテングルテンフリーとは、小麦粉に含まれる小麦グルテンを食事から取り除くことで、体にマイナートラブルを起こしていた小麦アレルギーが生じないようにし、体調を改善させる食事法のことです。

グルテンフリーが体質に合う人では、モチベーションが上昇する、体重が減少する、これまでの持病が改善するといったメリットが生じることがあり、アスリートを中心に世界中で注目を集めています。

現代の食生活では小麦は非常に身近な食材で、何気ない食事でも小麦粉を使ったメニューが溢れています。

体調のマイナートラブルが微弱な小麦アレルギーだった場合、グルテンフリーにすることで体調の改善が期待できます。

主食の内容を見直す意味ではローカーボ、ノンカーボの考え方とグルテンフリーの考え方は似ていますが、グルテンフリーはアレルゲンの除去が主目的ですので、中性脂肪の減少には直接かかわりません。

小麦を控えることによって間接的に中性脂肪を下げる可能性はありますが、コメや砂糖から糖分を摂っていれば血糖値が上がりますので、グルテンフリー食を行ったからといって中性脂肪低下やダイエット効果が見込めるわけではありません。注意してください。

血糖値を上げにくい食事のコツをアドバイス

食事の順番

血糖値を急激に上昇させないコツは、まず野菜から食べ始めることです。

同じメニューでも、空腹状態でいきなり主菜や副菜から食べると、活発にインスリンが分泌され、多くの糖分が分解されて血中に吸収され、血糖値が急上昇してしまいます。

一方で、野菜などの食物繊維の多いものから食べ始めると、同じ量の糖質を摂るのであっても、血糖値の上昇はゆるやかになり、血液中に取り込まれてしまう中性脂肪の量も減らすことができます。

繊維分の多いものをよく噛むことで満腹感も得られますので、同じ食事量でもよりストレスを感じずに済み、非常におすすめです。

同じメニューでも食べる順番を入れ替える工夫1つで、簡単に血糖値の上昇を抑え、将来自分の身に起こる病気を予防することができます。

ぜひ、野菜から食べる習慣を身につけていただければと思います。

結論

血糖値を上昇させるきっかけは食材に含まれるブドウ糖や砂糖です。誰しも、食事を摂取することによる血糖値の上昇は起こります。

しかし、消費するエネルギー以上に糖分が血糖中に供給されてしまうと、余った糖分は中性脂肪となって体に蓄積されてしまいます。

予防するには、ローカーボの糖質控えめ食を心がけるのがおすすめです。

極端な一般的な食生活でノンカーボ(完全な糖質断ち)を実現するのはかなり困難な上、体への負担も心配ですが、血糖値を上げやすい食品の割合を減らして血糖値のコントロールを心がけるローカーボ(糖質を部分的に減らす)のは、中性脂肪低下の観点からも効果的です。

中性脂肪を下げるアイディアのひとつとして、取り入れてみてください。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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