イクラやタラコなど魚卵は中性脂肪を上げる?プリン体の影響とは

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いくらコレステロールやプリン体が高そうなイメージのあるイクラやタラコ。

中性脂肪が気になる人で、魚卵は好きだけど控えている人も多いのではないでしょうか?

実は、魚卵には中性脂肪を下げる成分が含まれています。

今回は保健師である筆者が、魚卵は中性脂肪にどのような影響を与えるのか、また上手な摂り方についてお伝えします。

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魚卵ってどんな食品?

たらこ魚卵の中でも日常的によく食べられているのが、イクラとタラコです。

イクラは鮭の卵巣をほぐしたものを塩漬けにしたもので、主に生で食べられます。

一方のタラコは、タラの卵巣を塩漬けにしたもので、辛子と漬け込んで「辛子明太子」としたり、生のままや加熱して食べられています。

ちなみに「イクラ」はロシア語で魚卵を意味する言葉だそうですよ。

それでは、イクラとタラコの1食分あたりの栄養成分を見ていきましょう。
エネルギー 163 kcal
タンパク質 19.56 g
脂質 9.36 g
炭水化物 0.12 g
食塩相当量 1.38 g
ビタミンA 198μg
ビタミンD 26.4μg
ビタミンE 5.46 mg
ビタミンB1 0.25 mg
ビタミンB2 0.33 mg
ナイアシン 0.06 mg
ビタミンB6 0.04 mg
ビタミンB12 28.38μg
葉酸 60μg
パントテン酸 1.42 mg
ビタミンC 3.6 mg
ナトリウム 546 mg
カリウム 126 mg
カルシウム 56.4 mg
マグネシウム 57 mg
リン 318 mg
1. 2 mg
亜鉛 1.26 mg
0.46 mg
マンガン 0.04 mg

<タラコ1食分(1本30 g)に含まれる栄養素・カロリー>
エネルギー 42 kcal
タンパク質 7.2 g
脂質 1.41 g
炭水化物 0.12 g
食塩相当量 1.38 g
ビタミンA 7.2μg
ビタミンD 1.2μg
ビタミンE 2.13 mg
ビタミンB1 0.21 mg
ビタミンB2 0.13 mg
ナイアシン 14.85 mg
ビタミンB6 0.08 mg
ビタミンB12 5.43μg
葉酸 15.6 μg
パントテン酸 1.1 mg
ビオチン 5.28μg
ビタミンC 9.9 mg
ナトリウム 540 mg
カリウム 90 mg
カルシウム 7.2 mg
マグネシウム 3.9 mg
リン 117 mg
0.18 mg
亜鉛 0.93 mg
0.02 mg
マンガン 0.01 mg
ヨウ素 39μg
セレン 39μg
クロム 0.3μg

イクラやタラコには十分タンパク質が含まれており、ビタミンEやビタミンB12が豊富です。

塩蔵品であるため、食塩相当量は高めとなっています。

魚卵と中性脂肪の関係

塩分が多く、コレステロールが上がるとして健康に悪いイメージのあるイクラやタラコには、実は中性脂肪を下げる働きのある成分や、中性脂肪が高めの人にとって有益な成分が含まれています。

魚卵にもDHAやEPAが含まれている

DHA・EPA魚に多く含まれているとされるDHAEPAには、中性脂肪が気になる方に取ってほしい栄養成分の一つです。
中性脂肪値を下げるDHA~効果のメカニズムと摂取量、レシピ
中性脂肪値を下げるEPA~効果のメカニズムと摂取量、レシピ

実は、これらの成分は、イクラやタラコにも含まれていて、特にイクラでは、魚肉と引けを取らない量のDHAとEPAが含まれています。

DHAは、研究により中性脂肪を下げる効果が明らかになっています。

その他にも、血管や赤血球などの細胞の壁を柔軟にすることで、血流を改善する効果も。

一方のEPAにも、DHAと同様に血管をしなやかにする作用があります。

その他にも、血液がドロドロになる原因の一つである血小板の集まりを防ぐ働きもあり、中性脂肪が高めの人が気をつけたい、動脈硬化を防ぐ効果が期待できます。

魚卵に含まれるカロテノイド

アスタキサンチンサケやエビなど赤い魚介類に含まれるのが、「アスタキサンチン」と呼ばれる天然の色素成分。

イクラやタラコなど赤い色をした魚卵にも、この色素成分が含まれています。

アスタキサンチンには強力な抗酸化作用があり、体内の活性酸素を取り除く働きがあります。

中性脂肪が高めの人が気を付けたい動脈硬化による病気は、血管が老化したり、悪玉コレステロールが酸化することで起こります。

抗酸化作用のあるアスタキサンチンは、中性脂肪が気になる人にも有効な成分だといえます。

ちなみに、私たちが赤身の魚と思っている鮭は、もともと白身の魚だそう。

身が赤いのは、産卵のため川登りをする際に、紫外線や激しい運動量による強いストレスから身を守るために、筋肉にアスタキサンチンを蓄えているとされています。

魚卵にはコレステロールやプリン体が多い?

イクラやタラコを食べるにあたって、コレステロールやプリン体が多く含まれていると思っている人もいるのではないでしょうか。

しかし、魚卵に含まれるコレステロールは、卵と比較しても低めです。

痛風中年男性が気を付けたい痛風の原因となるプリン体に関しては、プリン体が細胞1個に1つ含まれるという特徴から、数の多い魚卵は「プリン体が高い」いうイメージがあるようです。

ただし、実際に魚卵一粒にあたる卵細胞は、全細胞の中では大きめであり、プリン体の含有量は少なくなります。

実際に、イクラのプリン体含有量は「極めて少ない」部類の食品に入っています。

また、イクラより粒が小さいタラコでも、1食分あたりのプリン体量は納豆より少なめです。

<魚卵とその他食品の成分比較>
  カロリー(kcal) コレステロール(㎎) プリン体(㎎) DHA(㎎) EPA(㎎)
イクラ小鉢1杯(60g) 163 144 2.1 1200 960
タラコ1本 (30g) 42 105 36.2 180 153
卵1個   (60g) 90.6 252 0 72 0
納豆1パック(50g) 100 0 56.5 0(※) 0(※)

※納豆には、オメガ6脂肪酸のリノール酸が含まれています。

中性脂肪が高い人に適した魚卵の摂り入れ方

中性脂肪が高い人でも、特にイクラやタラコなどの魚卵を食べてはいけないということはありません。

魚卵に含まれているDHAやEPAなどの成分に注目すれば、中性脂肪値を下げるのに有効だとも言えるでしょう。

しかし問題となるのは塩分です。魚卵は総じて塩分が高く、高血圧の原因となります。高血圧は脂質異常代謝と同じくらい、動脈硬化や循環器疾患のリスクを高めます。

たまに食べるくらいならば問題ありませんが、日常的に食べるのは避けるようにしましょう。腎臓に問題がある人や、高血圧などで塩分制限が必要な人は、1日の塩分摂取量の上限量を守って摂取する必要があります。

合わせて摂りたい栄養素は

大根おろしイクラやタラコなど魚卵を食べるときに気になるのが塩分量。

魚卵を食べるときに、一緒に食べてほしいのが野菜や果物などカリウムが豊富な食品です。

カリウムには余分な塩分を排出する作用があります。

例えば、イクラであれば大根おろしを添えたり、タラコならおにぎりにして、海苔で包んで食べるのもおすすめです。

結論

コレステロールやプリン体が多いイメージのイクラやタラコなどの魚卵。

魚卵には、中性脂肪を下げる作用や動脈硬化を予防するとされるDHAやEPAなどの有効成分が含まれています。

塩分が高めですが、適量に食べれば、中性脂肪を下げる作用もあるので、上手に取り入れていきましょう。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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