太ると思われがちな魚油。実は中性脂肪を下げる効果があった

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1375_2焼き魚などで滴り落ちる魚の油。

食欲をそそりますが、中性脂肪を気にしている方は、カロリーを気にして捨てたり、よけて食べている人が多いのではないでしょうか?

実は、魚油には中性脂肪を下げる効果があることが明らかになっています。

今回は、保健師である筆者が、魚油の中性脂肪を下げるメカニズムや、上手な摂取方法について紹介いたします。

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魚油ってどんな食材?

魚油はフィッシュオイルとも呼ばれている、魚が取れる油です。融点が低いため、牛脂(ヘット)や豚脂(ラード)が常温で固形であるのに対し、魚油は常温では液体の状態となります。

魚油100g に含まれる栄養素・カロリー

【 カロリー 】 902 kcal
【 脂質 】 100 g
 飽和脂肪酸 21 g
 多価不飽和脂肪酸 16 g
 一価不飽和脂肪酸 57 g
 コレステロール 766 mg
【 ナトリウム 】 0 mg
【 炭水化物 】 0 g
【 食物繊維 】 0 g
【 タンパク質 】 0 g
【 ビタミンA 】 0 IU
【 ビタミンC 】 0 g
【 ビタミンB6 】 0 mg
【 ビタミンB12 】 0 µg
【 カルシウム 】 0 mg
【 鉄 】 0 mg
【 マグネシウム 】 0 mg

魚肉に含まれている魚油は、栄養成分の全てが脂質であり、カロリーもかなり高めとなっています。

魚油が中性脂肪を下げるメカニズム

魚油が中性脂肪を下げる仕組みを具体的に見ていきましょう。

DHA(ドコサヘキサエン酸)

DHAはアザラシや魚を主食とするイヌイットに動脈硬化があまり見られないことをきっかけに研究が始まったとか。

DHAは、魚油に含まれる高度不飽和脂肪酸で、研究により中性脂肪を下げることが明らかになっています。
中性脂肪値を下げるDHA~効果のメカニズムと摂取量、レシピ

また、DHAには、血管や赤血球などの細胞膜をしなやかにする作用があり、血行を良くしたり血圧の上昇を防いだりすることで、中性脂肪が高めの人が避けたい動脈硬化による病気を防ぐ効果があるとされています。

中性脂肪に有効なDHAですが、その複雑な化学構造から、現在の科学では人工的に作り出すのは不可能とされています。

主に、青魚に含まれているので、魚肉を食べることで摂取することができます。

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EPA(エイコサペンタエン酸)

DHAの元となり、化学的構造が似ているEPA。

EPAにも中性脂肪だけでなくコレステロールを下げる効果があることが分かっています。
中性脂肪値を下げるEPA~効果のメカニズムと摂取量、レシピ

また、EPAは血液の粘性に関わる血小板の集まりを抑える作用があり、血液がドロドロになるのを防ぐ効果も。

さらに、DHAと同様に細胞膜をしなやかにする働きがあり、赤血球の形が血流に合わせて変形しやすくなることで、血行を改善して動脈硬化を防ぎます。

EPAはすでに、医薬品としても使用されている優秀な成分なのです。

参照:日本人におけるエイコサペンタエン酸(EPA)の食事による摂取と血小板機能に関する疫学的研究 平井愛山

中性脂肪が高い人に適した魚油の摂り方

中性脂肪が高い人にぜひ取って頂きたいのが魚油。

魚油は魚肉に含まれているので、魚油を摂取したいのなら、魚をメインにしたおかずを食べるのがおすすめです。

特に、DHAやEPAはイワシやサバ、サケなど青魚に多く含まれています。

また、インターネットでは食用油として魚油を購入することもできるので、気になる方はチェックしてみてください。

ちなみに、シーチキンやオイルサーディンなどの缶詰に含まれているオイルはサラダ油やオリーブオイルになりますので、魚油と間違えないようにしてください。

魚油の一日の摂取量とおすすめの摂り方

1375_4厚生労働省では、食用油や魚油から摂取できるオメガ3系の脂肪酸の1日の摂取目安量を、成人男性は2.0~2.4g、成人女性は1.6~2gと設定しています。

この目安量の半分を魚油から摂るのなら、毎日90 g程度の魚を摂取することになります。

魚90 gは大体切り身一切れ分に当たるので、3食の食事のうち1食のメインを魚料理にすればクリアできる値です。

調理方法によっては、魚油が流れ出てしまう場合があるので、おすすめは刺身など、丸ごと魚を食べるような調理法。

焼き魚やフライでもDHAとEPAは摂取できますが、熱に弱い性質があるため、焼き調理では20%、揚げ調理では半分以上の成分が溶け出してしまうとされます。

同様に煮魚は魚油が煮汁に流れてしまいます。煮汁を飲めばいいのですが、甘しょっぱい煮汁は当分も塩分も高めになってしまいます。

スープにしたり、魚料理を食べるときは、魚油ももれなく摂るようにしたいものです。

魚油と合わせて摂りたい栄養素は

1375_3魚油と合わせて摂りたいのが、ビタミンCやビタミンEが含まれている食品です。

DHAやEPAは酸化しやすい性質があるため、抗酸化作用のある食品を一緒に食べれば、体が効率よく吸収できるでしょう。

ビタミンCは野菜や果物に、ビタミンEはナッツ、モロヘイヤ、アボガドに多く含まれています。

また、近年になってDHAやEPAのサプリメントも販売されているので、魚料理がなかなか食べられない人にもおすすめです。

結論

魚肉に含まれる魚油は、中性脂肪が高めである人にとって有用な成分であるDHAやEPAが含まれています。

毎日の食事に肉料理が多い人は、魚料理に比重を置いて、自分の中性脂肪に役立ていきましょう。

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監修者 山浦 真理子医師


帝京大学大学院卒業後、世界共通の医学博士号であるPh.D.を取得。米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学経験あり。宇宙環境医学の研究者として論文を執筆。現在は、上用賀世田谷通りクリニックにて内科医として勤務しています。

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